ニュース

オープンソースの監視ツール「Zabbix 4.0」リリース、APIを利用したクラウド環境の監視データ収集などに対応

 ラトビアZabbixは2日(現地時間)、オープンソース監視ソフトウェア「Zabbix」の新版「同 4.0」をリリースしたと発表した。

 Zabbixは、サーバー、ネットワーク機器、サービス・その他のITリソースを監視・追跡できるよう開発されたオープンソースの監視ソフトウェア。おおむね1年半ごとに安定版が提供され、5年間サポートが提供されるLTS(長期サポート: Long Term Support)と、6カ月ごとに安定版が提供されるポイントリリースの、2つのリリース形態で提供されている。

 今回発表されたZabbix 4.0はLTSバージョンで、Zabbix3.2/3.4で実装された機能も含め、さまざまな新機能が提供される。

 具体的には、HTTPリクエストによる監視データの取得機能が追加され、クラウドやアプリケーションの、APIアクセスによる監視データ取得に対応した。Zabbix 3.2/3.4で追加された、保存前処理と依存アイテムの機能を活用すれば、より容易かつ柔軟に、APIを利用した監視データ収集を行えるという。

 また、障害を検知した際のコメント入力機能を強化。障害の手動クローズや深刻度の変更を行えるようにした。あわせて、コメント入力や障害の状態変更を行った際に通知処理を実行する、といったことも可能になったため、システム運用において障害発生時の対応にZabbixを活用しやすくなったとしている。

 さらに、監視対象のメンテナンスを行う際に活用できるメンテナンス期間で、トリガー設定のタグを利用できるように改善した。以前のバージョンでは、最小のメンテナンス対象がホスト単位だったが、タグを活用することで、アプリケーションごとにメンテナンスを設定しメンテナンス中の障害検知を抑制する、といった利用法に対応できるとした。

 このほか、監視データのリアルタイムエクスポート機能では、収集した監視データ、検知した障害の履歴をリアルタイムにファイルへ出力可能。出力されたデータをほかのソフトウェアへインポートすることで、ログデータの検索や障害履歴の分析など、収集データをより活用しやすくなったとのこと。

 Webインターフェイスでは、新しいグラフウィジェットを追加。正規表現指定で複数の監視データを1つのグラフ上に描画できるほか、マウスポイントでグラフ上に値を表示することも可能で、監視データの可視化をより行いやすくなっている。

 グラフや障害画面などの期間選択方式も改善され、目的の表示範囲を的確に選択できるようになったとのこと。Zabbix 3.2/3.4で改善されたダッシュボード、障害画面も含め、よりシステムの状況を容易に把握できるとしている。

 なおZabbix 4.0は、前述の通り、LTSリリースの安定版として5年間の長期サポートが提供され、全下位バージョンのエージェントに対しても互換性を実現しているとのことだ。