ニュース

日本ヒューレット・パッカード、ハードウェア性能の増強などを行ったAzure Stack新モデル

 米Hewlett Packard Enterprise(HPE)の日本法人である日本ヒューレット・パッカード株式会社は28日、ハイブリッドクラウド環境を実現するMicrosoft Azure Stack対応の新製品、「HPE ProLiant for Microsoft Azure Stack Gen10」を発表した。利用するサーバーハードウェアを最新の「HPE ProLiant DL380 Gen10」へ変更し、パフォーマンス向上などを行っている。

 Azure Stackは、パブリッククラウドサービスであるMicrosoft Azureの一部機能を、オンプレミス環境で利用できるようにするアプライアンス製品。これまではクラウド化が困難だった、機密性の高い情報を扱うシステムや、低レイテンシが求められるシステムを自社内に置いたまま、Azureの操作性や迅速性といったメリットを享受できるという。

 製品は数社から提供されており、日本ヒューレット・パッカードでは、HPE ProLiant for Microsoft Azure Stackを2017年10月より提供開始している。

 今回発表されたHPE ProLiant for Microsoft Azure Stack Gen10はその最新製品で、ベースとなるサーバーハードウェアに、最新のXeonプロセッサを搭載したProLiant DL380 Gen10を採用しており、より安全で高パフォーマンスなハイブリッドクラウド環境を実現するという。

ProLiant DL380 Gen10(製品発表会より)

 具体的には、従来よりもストレージ容量が50%増加し、1ノードあたり最大120TB(物理容量)まで対応可能になった。また、メモリ帯域幅が最大66%増加するため、仮想マシンのパフォーマンスを大幅に改善する。

 セキュリティ面では、ProLiant Gen10に搭載されているSilicon Root of Trust技術により、サーバーのファームウェア書き換え攻撃によるシステム停止を防止可能。統合システム監視ソリューション「HPE OneView」の活用によって、システム全体の監視やタスクの自動化も可能になる。

 HPE ProLiant for Azure Stack Gen10の価格は、5134万5600円(税別)から。

 なお日本ヒューレット・パッカードでは、Azure Stackでも従量課金モデルを利用できるようにしている。従来、Azure Stack導入時は、Azureの利用料に加えて、初期導入時にハードウェアの購入費用が必要になっていたほか、必要な台数も導入前に決定する必要があった。しかし、オンプレミス型従量課金サービス「HPE GreenLake Flex Capacity(旧称:HPE フレキシブルキャパシティ)」を活用することにより、ハードウェアの初期導入費用もパブリッククラウドのように月額課金化したり、リソースの利用量を必要に応じて増減したりできるとのこと。

 あわせて今回、Azure Stack導入・運用を容易にするコンサルティングサービスも発表された。Azure Stackの導入や活用を成功させるには、サーバーの知識に加え、ネットワークやMicrosoft製品に関する知識、Azureのサービスに関する知識、ハイブリッドクラウド環境における効率的な運用など、さまざまなノウハウが必要となるが、このサービスを利用すると、Azure Stackおよびハイブリッドクラウド環境導入に関する知見を持ったHPEのエンジニアが、ユーザー企業のAzure Stack導入・運用をサポートするとしている。価格は個別見積もり。