クラウド&データセンター完全ガイド:プロダクトレビュー DCを支える黒子たち

ハイブリッドITインフラの中核となるAzure Stackアプライアンス「HPE ProLiant for Microsoft Azure Stack」

弊社刊「クラウド&データセンター完全ガイド 2018年冬号」から記事を抜粋してお届けします。「クラウド&データセンター完全ガイド」は、国内唯一のクラウド/データセンター専門誌です。クラウドサービスやデータセンターの選定・利用に携わる読者に向けて、有用な情報をタイムリーに発信しています。
発売:2017年12月21日
定価:本体2000円+税

写真1:HPE ProLiant for Microsoft Azure Stack(出典:日本ヒューレット・パッカード)

 日本ヒューレット・パッカード(HPE)は2017年10月26日、日本マイクロソフトのパブリッククラウドサービス「Microsoft Azure」(図1)の一部機能をオンプレミスで実行可能にする「HPE ProLiant for Microsoft Azure Stack」を提供開始した。販売価格は3063万2600円(税抜き)。

 同月に正式リリースとなったAzure Stackは、オンプレミスやプライベートクラウドの環境でもAzureと同様のサービスを展開したい/Azureとの通信遅延が発生するネットワーク環境/法規制や社内規定などで社外にデータを置けないといったケースでAzureを利用できるようにするもの。ProLiant for Azure Stackは、HPEとマイクロソフトによって共同で設計され、事前構成・設定済みのアプライアンスとして提供される。

図1:Azure Stackのユースケース(出典:日本マイクロソフト)

 同製品を活用することにより、企業やサービスプロバイダーは、HPE製ITインフラを運用中の自社データセンターで、Azureと一貫性のあるサービスを実行可能にし、シンプルなハイブリッドITインフラ環境を構築できる。

 オンプレミス/Azure間の統合はシステム管理ソフト「HPE OneView」が担う。同ソフトにより、Azure Stackの導入からソフトウェア/ファームウェアのアップデート、システム状況のモニタリングを、一貫性を保ちながら管理を行えるようになる。また、専用サポートセンター「HPE-Microsoft Azure Stack Innovation Center」が開設され、HPE 製ITインフラやソフトウェア、サービスでのシームレスなAzure Stack活用を支援。両社のエキスパートと、ISV、SIer、マネージドサービスプロバイダーなどからなるエコシステムと連携した支援体制が整えられている。

 Azure Stackの利用料金はサブスクリプションベースである。ProLiant for Azure Stackにおいて、HPEが以前より提供するITインフラ投資ソリューション「HPE Flexible Capacity」を採用することで、容量・従量課金ベースの支払いを1つの請求書で行うことが可能になる。ビジネス上の必要に応じたITインフラのスケール拡縮や、実際の使用量に応じた料金の支払いも行える。Flexible Capacityのアピールポイント「クラウドのスピードと経済性をオンプレミスで実現」がフィットする組み合わせと言える。

 HPE ProLiant for Azure Stackでは、ITインフラの統合管理に加えて自動化機能も備え、コンピュート、ストレージ、ネットワークの各ITコンポーネントの実装簡素化に寄与する。企業のワークロードの要件を満たすCPU、メモリ、ストレージオプションの選択が容易になる。