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セキュアかつ安価な「データレスPC」で働き方改革を支援――、CSIソリューションズ、横河レンタ・リース、レノボが協業

 株式会社CSIソリューションズ、横河レンタ・リース株式会社、レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ株式会社(以下、レノボ)の3社は21日、データレスPCソリューションの拡販に向けて協業すると発表した。

 一般にはレンタル事業者としての認知度が高い横河レンタ・リースだが、実はITソリューションの販売にも力を入れており、「場所を問わず柔軟で安全なPC環境を提供する」というビジョンのもと、「Flex Work Place」ソリューションを提供してきた。今回の協業では、そのラインアップの1つであるデータレスPCソリューション「Flex Work Place Passage」を利用し、昨今注目されている、企業の働き方改革への取り組みを支援するという。

 Flex Work Place Passageで実現する“データレスPC”では、PCのローカル環境にデータを保存させず、社内やクラウド環境のファイルサーバーとActive Directoryでデータとユーザーを集中管理する仕組みを提供している。

 具体的には、PCにエージェントソフトウェアをインストールすると、すべてのデータがPCのローカル環境ではなくあらかじめ指定されたファイルサーバーへ保存されるようになる。働き方改革の一環としてリモートワークが注目されているが、情報漏えいなどの恐れがあるため、PCを社外に持ち出せない企業はまだまだ多い。しかしデータレスPCであればデータはファイルサーバーに存在するため、PC端末を紛失したとしてもデータは漏えいせず、セキュアに利用可能だ。

 また、データを端末に保管しないという点では、シンクライアントを用いたVDIとよく比較されるという。VDIとの最大の違いは、PCのローカル環境にデータを保存させないだけで、アプリケーションの実行はPC自身のリソースを利用し、メインメモリ上で行われること。そのため、サーバー側の処理能力は必要なく、VDIで付きものの複雑なシステム設計も不要だ。

 横河レンタ・リースの取締役専務執行役員 営業統括本部長の吉谷清氏はVDIとの比較について、「VDIと異なりサーバーの処理能力に頼らないので、性能の安定性が高いし、コストメリットも大きい。大手企業では、コストをVDIの1/10にできたという導入例もある。2013年より提供されており、すでに数百社に導入されている、実績のあるソリューションだ」と、その強みをアピールする。

横河レンタ・リースの取締役専務執行役員 営業統括本部長の吉谷清氏

 今回の協業では、レノボはFlex Work Place Passageを搭載したLenovo PCでの動作検証、およびLenovo ThinkSystemサーバーでのデータ保管に関する技術検証を実施。推奨構成を策定して、自社のリファレンスアーキテクチャサイト「太鼓判シリーズ」で公開している。

 またCSIソリューションズは、このリファレンスアーキテクチャを用いたシステム構築サービスや保守サービスを提供し、ソリューションとしてユーザー企業へ提供するとのこと。

 CSIソリューションズ 執行役員 ビジネス開発本部長の國居將隆氏は、「親会社のSCSKが働き方改革に積極的に取り組んでいることもあり、この分野へのお客さまからの問い合わせは増えている。ただ、VDIは高すぎて予算が取れないというお客さまも多く、そうした企業でもデータレスPCソリューションであれば検討していただけるだろう」と話す。

 具体的な活動としては、「当社の顧客から50社を選定し、重点的に営業をかけるほか、CADや画像コンパイルなど、CPU負荷がかかるアプリケーションを利用している企業へアプローチしたい。そのために、SCSKグループ各社、あるいは外部のパートナーとも連携していく」としている。

CSIソリューションズ 執行役員 ビジネス開発本部長の國居將隆氏

 一方でレノボ 執行役員 パートナービジネス管掌 製品・パートナー営業統括本部 統括本部長の橘一徳氏は「リモートデスクトップ環境はデータセキュリティが重要な要素だが、コストが見合うかどうか、という問題があった。データレスPCソリューションは高いセキュリティを持ちながら、ローコストで投資効率の高いソリューションと認識しており、働き方改革の需要を取り込んでいきたい」と述べている。

レノボ 執行役員 パートナービジネス管掌 製品・パートナー営業統括本部 統括本部長の橘一徳氏

 なお、働き方改革以外では、2020年にサポートが終了するWindows 7やWindows Server 2008からの移行の動きに対しても、データレスPCソリューションで対応していくという。CISソリューションズの國居氏は、「Windows 10への移行を行う場合、Windows 7時点でデータレスPCにしておけばPC内にデータがなく楽に移行できるため、移行ソリューションとしても訴求を図りたい」としたほか、レノボの橘氏も、「Windows 7から10への移行においてリモートデスクトップ環境の提案を進めており、その1つとして提案する。また、サーバーOS移行のタイミングにおいても、ソリューションとしてシステム提案を進めていく」と話した。

 3社では今後、ソリューション提案活動を積極的に行う考えで、レノボのパートナープログラム「Lenovo Togetherプログラム」の一環として、セミナー開催などの共同マーケティング活動、および提案・営業活動を共同で展開するとのこと。

左から、レノボの橘一徳執行役員、CSIソリューションズの國居將隆執行役員、横河レンタ・リースの吉谷清取締役専務執行役員