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“現場ファースト”の実現を目指す――、MetaMoJiが法人向けデジタルノート「GEMBA Note」を強化

 株式会社MetaMoJiは11日、iOS対応の高機能デジタルノート「GEMBA Note」において、機能を強化した新版「GEMBA Note for Business 4」を発表した。

 セキュアで簡便な操作が行える動画共有機能や、散在するデータを集約して見やすい形式で表示するアグリゲーション機能を新たに追加したほか、カスタマイズ開発環境を用意。SI事業者やハードウェアメーカー、ソフトウェア開発会社、コンサルティング会社などと協業を進め、現場に最適化した業務ソリューションの開発基盤として展開する。

「現場ではとてつもない効果がある製品」

 2014年に建設業向けの「eYACHO」として製品化されたGEMBA Noteは、現場での利用に最適化した各種機能を搭載している点が特徴。手書きや画像、音声などを含めて、現場での記録作業や、処理業務などを行うことができる。

GEMBA Noteで目指したこと

 「現場」での作業を行うためのツールとして、建設や医療、品質検査、フィールド作業、研究所などのさまざまな業種で活用されており、200社以上の導入実績があり、建設現場では、1社6000人以上が利用しているケースもあるという。

 MetaMoJiの浮川和宣社長は、「報告書作成や定型業務の作業を行うために会社に戻る、といったことが多く、結果として残業増につながっている。PCは、いまでは業務になくてはならないものになっているが、よく見てみると、現場で使われることは少なく、まだまだ使われていない領域が多いことに気がついた」という点を指摘。

 「iPadの有用性と手書きを組み合わせることで、キーボードがなくても、現場で作業できるものを目指して開発したのがGEMBA Note。これにより、事務所に戻ることなく現場で完了する作業を増やすことができ、作業効率の改善や現場での業務品質の向上、ミスの削減に貢献できるようになった。現場ファーストとして、現場の人が、簡単に使うことができるのが、GEMBA Noteの特徴である。現場では、とてつもない効果がある製品であり、現場での大半の作業をGEMBA Noteで行えるような環境づくりを行っていきたい」と語った。

MetaMoJiの浮川和宣社長

動画共有や業務パッケージの開発・配信などが可能に

 今回の機能強化では、動画共有機能を追加しており、これについて「作業用シートに、動画コンテンツを自由自在に張り付け、情報をリアルタイムで共有できるのが特徴だ。現場でトラブルが発生し、現場だけでの判断が難しいという場合に本社部門と動画を共有したり、動画マニュアルにより現場作業を支援したり、といった使い方もできる。しかも、ここで利用する動画は、MetaMoJiのサーバー上に格納してセキュアに管理できる。新たなコミュニケーションツールに進化させることができた」と述べた。

 さらに、iPhoneでの操作性を向上。iPhoneの画面サイズにあわせたボタンやメニューのレイアウトを採用できるようにしたほか、横スクロールの抑制による読みやすい環境を実現。「業務目的にあわせたユーザーインターフェイスにカスタマイズできる」という。

iPhoneでの操作性を向上

 また、ノートに自由に書いた現場データをもとに、ある目的に必要なデータだけを集約するアグリゲーション機能を提供し、管理者が現場の状況確認を行いやすいようにしたほか、以前から提供してきた現場巡視記録などのテンプレートを強化する。あわせて、ノートテンプレートによる特定業務向けカスタマイズ機能を用意することで、より現場に最適化したツールに進化できるようにした。

アグリゲーション機能

 GEMBA Note for Business 4で動作する業務パッケージの開発・配信も行えるようにしている。「入力機能とデータ活用機能の設定をパッケージ化。配信されたパッケージは、GEMBA Note for Business 4上で利用できるようになる。アイテムや入力フォーム、ノートテンプレートを提供するほか、コンテンツタグスキーマ、アグリゲーションサーチ設定、カスタムUI設定などの各種設定も可能になる」。

 さらに、社内システムやストレージサービスとのデータ連携機能、CSV出力機能、監査機能やアカウント連携も提供。「エンタープライズ市場からの要請にも応えていく」としている。

開発環境を提供
既存システムとのデータ連携

 GEMBA Note for Business Team Editionは、10ライセンスから導入可能で、年間利用料が1ライセンスあたり2万円(税別)、初期導入費用は25万円(税別、参考価格)から。

 日本語手書き入力「mazec」やミーティングオプションなどを追加したGEMBA Note for Business Enterprise SS Editionは、20ライセンスから導入が可能で、年間利用料が1ライセンスあたり5万円(税別)、初期導入費用は50万円(税別、参考価格)から。

 100ライセンスから導入可能な大規模向けのGEMBA Note for Business Enterprise LA Editionは、年間利用料が1ライセンスあたり3万5000円(税別)、初期導入費用は50万円(税別、参考価格)。

 ツール類は別途見積もりだが、参考価格として、開発ツールが1ライセンスあたり10万円(税別)、監査ツールが200万円(税別)からとなる。

 なお同社では4月18日に、東京・六本木のベルサール六本木グランドコンファレンスセンターにおいて、「MetaMoJi パートナーカンファレンス 2018 Spring」を開催。パートナー企業を対象にした説明を行う予定だ。同社によれば、すでに数社のコンサルティング企業などと話し合いを進めているという。

 販売パートナーとしては現在、ソフトバンク コマース&サービス(ソフトバンクC&S)、ダイワボウ情報システム(DIS)、大塚商会など、約30社が名前を連ねている。

現場での資料作成比率を劇的に向上した事例

 また記者会見では、いくつかの導入成果についても説明が行われた。

 一戸建て住宅向けに、太陽光発電システムをはじめ、省エネルギー製品の販売・施工を行う日本エコシステムでは、GEMBA Noteを導入し、現場での帳票作成を可能にした。これによりわずか半年間で、現場での資料作成比率を8%から60%以上に拡大。生産性の向上を実現したという。

 MetaMoJiの浮川初子専務は、「日本エコシステムでは、GEMBA Noteの新たなバージョンに搭載した新機能を利用することで、現場での資料作成比率を80%にまで拡大したいと考えている」と説明した。

 さらに4月20日から公開される映画「いぬやしき」の製作現場でもGEMBA Noteが採用されているとのこと。映画制作のプロセス全体に活用し、スタッフや協力会社などとの情報共有や、現場での生産性向上などに生かしたという。

MetaMoJiの浮川初子専務
日本エコシステムの事例