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ネットワークは1.6Tbpsへ、運用はAIへ――Interop Tokyo 2026で見えた次世代ICTの潮流

 最新のネットワーク技術を中心としたICT技術やソリューションのイベント「Interop Tokyo 2026」の展示会が、6月10日~12日に幕張メッセで開催された。

1.6Tbps対応やAIテストなど、ネットワークテスターの展示

 Interop Tokyo 2026の会場ネットワークShowNetでは、1.6Tbpsイーサネットのスイッチが登場していた。それに合わせて、ネットワークに負荷をかけるネットワークテスターも、1.6Tbpsに対応した製品が登場し、各社で展示していた。1.6Tbpsは主にAIサーバーを想定したものだが、ネットワークテスターによるAIの検査も見られた。

 キーサイトの「AresONE 1600GE」は、224GのSerDes(シリアライズ/デシリアライズ)レーンにより1.6Tbpsに対応したネットワークテスターだ。出展社の製品を表彰する「Best of Show Award」にて、「テスティング部門」の準グランプリを受賞した。

 そのほか、ShowNetで稼働している監視や可視化のためのパケットブローカー、ユーザー視点でのネットワーク品質の監視、AIのGPUクラスターのテストなども展示されていた。

 少し変わった展示が、SBOM(ソフトウェア部品表)管理基盤の「Keysight SBOM Manager」だ。SBOMの作成から、管理、運用自動化までを行い、バイナリ解析によるSBOM検証の機能も備えているという。「Best of Show Award」にて、「セキュリティ(アセスメント)部門」のグランプリを受賞した。

1.6Tbps対応ネットワークテスター「AresONE 1600GE」
1.6Tbpsの負荷を実演
パケットブローカーの展示
ユーザー視点でのネットワーク品質の監視の展示
AIインフラのテストの展示
Keysight SBOM Managerの展示
Keysight SBOM Managerの画面

 東陽テクニカは、Viavi社のネットワークテスターなどについて展示していた。

 「VIAVI Testing Productivity with AI」は、「Best of Show Award」にて、「テスティング部門」のグランプリを受賞した。ネットワークテスターにAPIでアクセスするMCPを作ることで、AIからテストの集計や分析などができるようにしたものだ。

 また、1.6Tbpsネットワークテスターの「TestCenter D2 1.6Tアプライアンス」は、「Best of Show Award」にて、「テスティング部門」の準グランプリを受賞した。

 アプリケーション&セキュリティテスターのCyberFloodによるAIのテストについても展示されていた。ブースでは、大量のプロンプトを送信してロードバランサーをテストする用法と、プロンプトにNGキーワードを混ぜてAIのガードレールをテストする用法が紹介されていた。

 そのほか、Calnexのネットワークエミュレーターは、ShowNetのMedia over IPで、長距離の遅延をエミュレートするのに使われているとのことだった。

VIAVI Testing Productivity with AI
1.6Tbpsネットワークテスターの「TestCenter D2 1.6Tアプライアンス」。東陽テクニカのブースには実機なし
CyberFloodによるAIのテスト
CyberFlood
Calnexのネットワークエミュレーター

 そのViaviもブースを出展。1.6Tbpsネットワークテスターや、ポータブルな800Gbpsネットワークテスター、中空コアファイバー(Hollow Core Fiber)のテストソリューションなどを展示していた。

Viaviの1.6Tbpsネットワークテスター
ポータブルな800Gbpsネットワークテスター
中空コアファイバーのテストソリューション

1Finity、高速ネットワークのハードウェアや、AIによるネットワーク運用、ネットワークOSを展示

 富士通グループのネットワーク関連会社である1Finityは、「AI時代の分散データセンターを支えるネットワーク」を掲げ、ネットワークのハードウェア、AIによるネットワーク運用の高度化、ネットワークOSの3つについて基礎技術を展示していた。

 ハードウェアでは、1.6Tbpsプラガブル光トランシーバーを展示していた。2027年ごろのリリース予定だという。

 また、分散データセンターなど向けにデータセンター間を低遅延でつなぐ光インターフェイスカードの試作機も展示していた。PCIeインターフェイスに挿す。ハンドシェイクの時間を減らすためにイーサネットなどを使わず独自のシンプルなプロトコルを使い、スイッチやルーターを介さずに通信する。RDMAもスループットを落とさないための独自技術(特許出願)によって実装している。

 光インターフェイスカードのオールインワン冷却システムの試作機は、沸騰現象を使って液冷で冷却するものだ。チップを冷やした冷媒が沸騰し、それがラジエーターで冷やされるサイクルとなっている。これにより、通常の単相流の液冷と比べて冷却効率が25%アップするという。

ハードウェアの展示の説明
1.6Tbpsプラガブル光トランシーバー
独自プロトコルを使う光インターフェイスカードの試作機
沸騰現象を使った光インターフェイスカードのオールインワン冷却システム

 AIによるネットワーク運用の高度化は、自律・自動化、予測・予防、データ活用・知識化の3つの分野からなる。自律・自動化ソリューションでは、ブラックボックス化を避け、人に説明できる形で運用する。

 また、予測・予防ソリューションでは、さまざまな事象の関係をモデル化して、それらとの類似性をもとにトラブルを予測する。

 そしてデータ活用・知識化ソリューションでは、ネットワーク運用に特化したLLMのAIモデルをファインチューニングして作成する。

3つのフォーカス分野
ロードマップ

 ネットワークOSでは、富士通とともにパートナーシップを結んでいる米Arrcusのホワイトボックス向けネットワークOS「ArcOS」について展示していた。

 ユースケースとしては、ArcOSにより柔軟な拡張性とコスト削減を両立した分散型ネットワークを想定。そのほか、富士通のARMアーキテクチャの次世代CPUであるFUJITSU-MONAKAで、GPUレスのAI推論を行う分散データセンターソリューションについても展示していた

ArcOSの利用例:分散型ネットワーク
ArcOSの利用例:FUJITSU-MONAKAの分散データセンターソリューション

ミドクラ、GPUを効率的に使うインフラのソフトウェアをデモ

 ミドクラジャパンのブースでは、GPUを効率的に使うインフラを構築・運用するソフトウェアについて展示し、デモしていた。

 ミドクラはかつてネットワーク仮想化技術「MidoNet」を開発した技術ベンチャーで、現在はソニーセミコンダクタソリューションズの傘下となっている。

 展示の1つめは、GPUを使う仮想マシンやKubernetesクラスターをワンクリックで立ち上げられるソフトウェアスタックだ。AIモデルや、AIに必要なライブラリも、組み合わせを事前検証して用意している。デモでは、起動した仮想マシンで、LLMに売上を集計するSQLを書かせて実行し、集計と可視化を行うところを見せていた。

 2つめは、GPU仮想化だ。GPUは学習ならともかく推論では1基単位で使い切れないことから、複数のタスクで分割して使うというものだ。スが割り当てられる。設定で、使用するCPUコアのパーセンテージやCPUメモリの量を指定すると、それに応じた量のリソースが割り当てられる。CNCFのオープンソースソフトウェア(OSS)の「HAMi」がベースになっており、ミドクラではAMD GPUへの対応など積極的にコントリビュートしているとのことだった。

 3つめは将来のプロトタイプで、複数のデータセンターで動いているKubernetesクラスターから、AIのワークロードを最適に割り当てるものだ。各データセンターが、負荷や電力、レイテンシー、カーボン排出などの項目でスコア付けされている。そこから、トップ3のデータセンターのHA構成でデプロイする、といった指定をすると、自動的に割り振られる。

ミドクラジャパンのブース
GPUを使う仮想マシンをワンクリックで立ち上げる
GPUを仮想化して割り振る
複数のデータセンターにAIワークロードを最適に割り当てる