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Google Cloud Next Tokyo '24が開幕、「Gemini」関連のアップデートなどさまざまな発表を実施
Google Workspaceでは「サイドパネル」の日本語サポートも
2024年8月2日 06:15
Google Cloudは、日本での年次イベント「Google Cloud Next Tokyo '24」を8月1日~2日に神奈川県のパシフィコ横浜ノースで開催している。ビジネスリーダー、イノベーター、エンジニアのためのクラウドカンファレンスとなっており、今年は生成AIが話題の中心となった。
ここでは初日の基調講演で発表された内容や、比較的最近発表されたものが紹介された内容をレポートする。
Preferred Elementsが開発するLLM「PLaMo-100B」がGoogle Cloudで提供予定
Google Cloud 日本代表の平手智行氏は、Google CloudのAIサービスについて概要を紹介した。
まず、すでに報道されているように、GoogleによるAIモデル「Gemini」の最新版「Gemini 1.5 Pro」が5月に一般提供開始になった。
また、AIコンピューティングサービスでは、NVIDIA H100を搭載した「A3 Mega」VMを一般提供開始し、NVIDIA GB200 NVL72を搭載したVMも2025年にリリース予定(4月発表)。
また、経産省が推進する日本国内での基盤モデル「GENIAC」でGoogle CloudのGPUインスタンスを数千コア採用。その中で、Preferred Networksのグループ会社であるPreferred Elementsが開発するLLM「PLaMo-100B」が、Google Cloudのマーケットプレイスで提供予定であることをアナウンスした。また、sakana.aiがGoogle Cloudを推奨クラウドプロバイダーとして選定したことを紹介した。
企業のGeminiの処理を日本国内で完結できるように
Googleのアーワン・メナード氏(Cloud AI ディレクター プロダクト マネージメント)は、AIモデルや、AI開発プラットフォームのVertex AIを中心に紹介した。
その中で、Geminiモデルが日本にやってくることを発表した。ユーザーのプロンプト、モデルの回答、チューニングデータなども日本国内で保存される。
また、Geminiの日本での機械学習処理も発表された。顧客がGeminiを利用する際に、バックエンドのLLMの処理が日本国内で完結するようになる。今年後半を予定している。
また、GeminiのSLAサポートも発表された。エンタープライズ向けのもので、規制の厳しい業界でも高い信頼性でGeminiを利用できるようになるという。
比較的最近の発表としては、Geminiと同じ技術で開発された軽量なAIモデル「Gemma 2」が6月末に発表された。90億パラメータと270億パラメータのモデルがあり、最近さらに軽量な20億パラメータのモデルも発表されている。
またサードパーティのAIモデルとしては、MetaのLlama 3.1やMistral AIのCodestralが利用可能になったことも7月末に発表された。Model as a Service(MaaS)として、Geminiと同様に使った分だけ支払う形態で利用でき、数クリックで開始できる。
また、Gemini 1.5 ProとGemini 15 FlashのGemini APIにおいて、コンテキストキャッシング機能を6月末に公開プレビューとして発表した。入力コストを最大で75%削減するという。
GeminiのGoogle Workspace向け拡張機能が登場、Geminiサイドパネルの日本語対応も予定
Google Cloudのクリスティナ・ベア氏(Google Workspace 事業本部 コラボレーション アプリ プロダクト マネージメント バイス プレジデント)は、Google WorkspaceへのGemini統合について紹介した
その中でベア氏は、大きな発表として、GeminiアプリのGoogle Workspace向け拡張機能がβ版として登場したことをアナウンスした(7月発表)。これにより、GeminiアプリからGoogle WorkspaceのGmail、Googleドライブ、Googleドキュメントのデータを参照できるようになる。
また、6月にはGoogle WorkspaceでのGeminiのサイドパネルもリリースされている。これにより、Geminiが開いているアプリ中のデータを参照し、コンテキストに応じた回答ができる。
このサイドパネルの日本語対応予定が、今回発表された。日本語対応は、9月にWorkspace Labsとα版として、Gmail、Googleドキュメント、Googleスライド、Googleスプレッドシート、Googleドライブで提供開始予定。その後間もなく一般提供開始(GA)を予定しているという。