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Kubernetesを使った最新の開発アプローチを紹介――、「Google Cloud Anthos Day」開催
Google Cloudのセッションを徹底レポート
2020年2月4日 05:50
サービスメッシュやサーバーレスもAnthosで用意
Anthosとその最新機能については、Google Cloudの篠原一徳氏(アプリケーションプラットフォームスペシャリスト)がセッション「Deep-dive into Anthos on GCP」で解説した。
篠原氏はAnthosについて「アプリケーションのモダナイゼーションのプラットフォーム」と説明した。
ベースとなるのは、GKEやオンプレミス、他社クラウドとマルチプラットフォームで使えるコンテナ管理。現在ではAnthosブランドのコンポーネントを広げ、クラスタ管理の「GKE Hub」、ポリシー管理の「Anthos Config Management」、サービスメッシュの「Anthos Service Mesh」、サーバーレスの「Cloud Run for Anthos」などがある。
AnthosのライセンスモデルはこれまでのGCP(Google Cloud Platform)プロダクトと異なり、サブスクリプションライセンスを買う形となる。その中でさらに、ハイブリッドクラウドで使える「Anthos Hybrid」と、GCPのみで使う「Anthos on GCP」がある。
篠原氏はAnthosが提供する価値を、App Modernization(モダンなアプリケーションのプラットフォーム)と、Operation Consistency(ハイブリッドクラウド・マルチクラウドにおけるオペレーションの一貫性)の2つに分けて説明した。
まずはApp Modernizationの機能から。「Anthos Service Mesh(ASM)」はフルマネージドのサービスメッシュで、Istio互換のAPIを持ちつつ、コントロールプレーンはユーザークラスタから分離されてGoogleが管理するのが特徴だ。
篠原氏はステージ上でASMをデモ。マイクロサービス方式のEコマースのサンプルアプリを使い、GUIから、マイクロサービスの状態や通信レイテンシーなどが見られるところ、サービスの相関関係がグラフ表示されるところ、サービスのSLO(Service Level Objective)の確認や設定ができるところを見せた。
なお、トラフィックルーティングやセキュリティの設定もGUIでできるようになる予定だという。
また「Cloud Run for Anthos」は、コンテナをサーバーレスで動かすサービスで、オープンソースのKnativeを基にしている。GCPでは、フルマネージドの「Cloud Run」と、GKEの部分が見える「Cloud Run for Anthos」の2種類がある。
AnthosによるGitOpsワークフロー
2点めのOperation Consistencyの機能としては、「Anthos Config Management(ACM)」によるGitOpsワークフローを篠原氏は紹介した。
ACMは、ネームスペースやクォータなどのクラスタの設定を、ハイブリッドなKubernetes環境に自動的に展開する管理ツールだ。ポリシーをGitリポジトリで管理し、変更があると各クラスタが同期して、設定の差分を埋める動作をするようになっている。このようにGitリポジトリを中心にしたインフラ運用のCI/CDの手法がGitOpsと呼ばれる。
篠原氏はAnthosでのGitOpsについて、アプリケーションのコードと、Kubernetesのワークロードのマニフェスト、Kubernetesのクラスタ自体のマニフェストの3種類を別のGitリポジトリに分けて管理することを推奨。ACMとArgoを使ってCI/CDする方法を紹介した。
さらにステージ上でGitOpsをデモした。Webで「Hello world」を表示するサンプルアプリをもとに、Pod数のクォータ設定と、アプリの表示メッセージ、Kubernetesのレプリカセットの設定をテキストエディタで変更し、それぞれgit pushを実行。コンテナイメージがビルドされ、Kubernetesの設定が変更されて、Web表示やPod数が変わったところを見せた。