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Google Cloud Next '19 in Tokyoで発表された新製品・サービスを紹介
Titanセキュリティキーを国内販売、Migrate for Anthosのベータ版も
2019年8月5日 09:18
グーグルジャパンによるGoogle Cloudのカンファレンス「Google Cloud Next '19 in Tokyo」が7月30日~8月1日に開幕した。7月30日はブートキャンプやハンズオンが、7月31日と8月1日に通常のカンファレンスが行われた。
本稿では、基調講演で新発表されたサービスや製品についてまとめる。なお、会期中に別途発表され、基調講演で紹介されたものも含む。
Titanセキュリティキーが日本でも販売開始、APPベータ版も登場
Google製のFIDO準拠のセキュリティキー「Titanセキュリティキー」が、米国だけでなく、日本、イギリス、フランス、カナダの4国でも販売開始した。すでにGoogleストアの日本語ページで販売しており、USBタイプとBluetoothタイプが同梱されて販売価格は6000円。
また、G SuiteやGCP、Cloud Identity用に、Advanced Protection Program(APP、高度な保護機能プログラム)のべータ版を発表した。発表によると、数日のうちにロールアウトされるという。
APPでは、経営者やIT管理者などの高いセキュリティが求められる組織内のユーザーについて、専用のセキュリティポリシーを適用する。セキュリティポリシーには、TItanセキュリティキーなどのセキュリティキーによる2要素認証や、サードパーティアプリのアクセスのブロック、受信メールの拡張スキャン(添付ファイルをサンドボックスで実行して安全性を確認する)などが含まれる。
仮想マシンをコンテナ化するMigrate for Anthosがベータ版として一般公開
Migrate for Anthosは、アプリケーションの動く仮想マシンをコンテナに変換するものだ。4月の米「Google Cloud Next '19」で発表され、今回ベータ版として一般公開された。
Migrate for Anthosにより、オンプレミスやGoogle Compute Engine、その他クラウドなどで動いていた仮想マシンを、GKE(Google Kubernetes Engine)やAnthos(GKE相当のハイブリッドクラウドプラットフォーム)上に移行できる。これにより、既存アプリケーションのリフト&シフトによるモダナイズを実現できる。なお、Migrate for Anthosは仮想マシンをコンピュートとストレージで分離し、コンピュートをスケールアウトしやすくする。
サービスメッシュ用のTraffic DirectorのGAとL7 ILB
Anthos関連では、サービスメッシュ用のTraffic Directorの一般提供(GA)と、Layer 7 Internal Load Balancer(ベータ版)が発表された。
Traffic Directorは、Envoyなどのサービスプロキシのコントロールプレーンとなるものだ。また、Layer 7 Internal Load Balancer(L7 ILB)は、レガシーアプリケーションをTraffic Directorに対応するためのゲートウェイとなる。
Cloud Runが東京リージョンでも開始
Cloud Runは、コンテナイメージを指定するだけで、あとはよしなに動かしてくれ、使った分だけ従量課金されるという、一種のサーバーレスプラットフォームだ。Kubernetesで動くオープンソースのKnativeをベースにしている。
Cloud Runはこれまでus-central1(米アイオワ)リージョンだけで利用できた。これが新たに、東京、ベルギー、us-east1(米サウスカロライナ)の3つのリージョンでも利用できるようになった。
AzureからGCEへの直接移行に対応
Google Compute Engine(GCE)では、AWSやオンプレミスから仮想マシンを直接移行するMigrate for Compute Engineを提供している。ここで新しく、Microsoft Azureからの仮想マシンの移行が、ベータ版として対応されたことが発表された。
Google Cloud上でVMwareのワークロードを動かす
会期に別途、Google CloudとVMwareが提携し、Google Cloud上でVMwareのワークロードを動かすGoogle Cloud VMware Solution by CloudSimpleが発表された。これも今回基調講演の中で紹介された。
Cloud SQL for Microsoft SQL Serverリリース予定
Cloud SQL for Microsoft SQL Serverは、フルマネージドのMicrosoft SQL Serverサービスだ。4月の米「Google Cloud Next '19」で発表されたもので、今回は今年に日本でリリース予定であるとアナウンスされた。
また、Active Directoryのマネージドサービス「Managed Service for Microsoft Active Directory」も同様に、間もなく日本でリリース予定だとアナウンスされた。
BigQueryからCloud SQLへのフェデレーションクエリが追加
データ分析プラットフォームのBigQueryでは、さまざまなデータソースからデータをコピーせず直接問い合わせるフェデレーションクエリの機能がある。このフェデレーションクエリで、Cloud SQLに対して問い合わせる機能が追加された。
Elastic Cloud on GCPが日本で提供開始
Elasticソリューションのクラウド版であるElastic CloudをGCPで利用できるElastic Cloud on GCPが、日本で提供開始されたことがアナウンスされた。これにより、サポートや課金などをGCPに一元化される。なお、統合課金は8月からだという。
G Suiteの中で、Google Voiceが日本でサービス開始予定
G Suiteの中で、電話サービスのGoogle Voiceを日本で開始予定であることが明らかにされた。管理者向けの簡単なプロビジョニングと管理などの機能も含まれるという。
6TB/12TBメモリの仮想マシンがベータ提供
SAP認定済みのメモリ6TBと12TBの大容量の仮想マシンがベータ提供開始された。4月の米「Google Cloud Next '19」でアーリーアクセス版として発表されたものだ。