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IoT利活用に向け、最新サービス・製品が集結! クラウドEXPOなど8つの展示会が集まった「Japan IT Week 2016秋」開催中
ニフティ、さくらインターネット、AWS、ぷらっとホームなどのブースをレポート
2016年10月27日 11:00
「クラウドコンピューティングEXPO 秋」など、8つの展示会から構成される「Japan IT Week 2016秋」が10月26日、千葉県の幕張メッセで開幕した。28日までの3日間、「クラウドコンピューティングEXPO 秋」「情報セキュリティEXPO 秋」「Web&デジタルマーケティングEXPO 秋」「モバイル活用展 秋」「データセンター展 秋」「ビッグデータ活用展 秋」「通販ソリューション展 秋」「IoT/M2M展 秋」が同時に開催される。
ここでは、「クラウドコンピューティングEXPO 秋」を中心に、クラウドやインフラに関連した企業のサービスや製品の展示を紹介する。
ニフティ、拡充された「ニフティクラウドIoTプラットフォーム」を展示
ニフティ株式会社(ニフティクラウド)のブースでは、「ニフティクラウドIoTプラットフォーム」一色で展示。会期に先立つ25日に正式提供を開始した「ニフティクラウド IoTデバイスハブ」と、同時に拡充された各種IoT関連サービスを紹介している。
IoTデバイスハブは、ニフティクラウドIoTプラットフォームの基礎となるサービスで、デバイスとニフティクラウドとをAPIやSDKにより簡単に接続するものだ。これによって、デバイス自体以外の工数やコストを削減する。同時に、イベントを起点にスクリプトを実行するFaaSサービス「ニフティクラウド スクリプト」も正式提供される。
さらに、機械学習機能「ニフティクラウド Machine Learning」(トライアルα版)とデータ可視化機能「ニフティクラウド Data Visualizer」(β版)も新しく提供開始となる。
ブースではそのほか、IoTのコンサルテイングサービス「IoTデザインセンター」の事例として、オムロンの環境センサーのIoTアプリケーションについて展示している。
さらに、ニフティクラウドIoTプラットフォームを使ったデモとして、MTG社の姿勢矯正シートにセンサーを付けた可視化デモとゲームや、同じくMTG社のシートとセンサーを使ってゴルフのスイングを確認するデモ、対象をピンポイントで追跡するライトが展示されている。
さくらインターネット、IoTプラットフォームや近日予定サービスなど
さくらインターネットのブースでも、「さくらのIoTプラットフォーム」を中心に、同社の各種サービスを展示している。なお、会場前面には、さくらインターネットがさくらのIoTプラットフォームで参加している、「攻殻機動隊 S.A.C.シリーズ」のタチコマのリアライズプロジェクトの展示もされている。
さくらのIoTプラットフォームは、通信モジュールを閉域網でさくらインターネットのプラットフォームに接続し、さくらのクラウドをはじめ各社のクラウド上のアプリケーションとつなぐサービス。開発者がデバイスとサービスに集中すればよい「データを迎えに行くプラットフォーム」と同社では呼んでいる。
ブースでは、シャープの非接触センサーで心拍数などを計測し、さくらのIoTプラットフォームを経由して、IBM Bluenixで集計する例をデモしている。また、Yahoo! Japanによる各種サービスを連係させるサービスmyThingsを使って熱中症の危険のある気温になったらデバイスがしゃべるデモも展示している。
さらに、同26日にさくらインターネットとシステムソフトの合弁会社であるS2i社が業務提携を発表したスマートロック「tsumug」も展示。ぐるなびとの共同による店内の音感センサーの実証実験と、ハウステンボスとの共同によるゴミ箱の内容量を計る実証実験についても展示している。
組み込み機器関連では、子供向けプログラミング教室「KidsVenture」(主催:さくらインターネット、ビットスター、ナチュラルスタイル、jig.jp)も紹介している。BASIC言語でプログラミングできるワンボードマイコン「IchigoJam」を使い、プログラミングや電子工作を子供たちが体験する。
近く提供予定のサービスも2点展示されている。imgtruck(仮称)は、サーバーに用意した画像を、プロキシ形式で、モバイルサイズにリサイズしたり合成したりとリアルタイム変換して公開できるサービス。ピクシブとの共同により、さくらインターネットのサービスとして11月に提供予定(正式な時期や名称はまだ未定)。
さくらのセールスアナリシスは、アストロ数理ホールディングスのBIツールをさくらのクラウドを使ったサービスとして提供するもので、今冬リリース予定。同社のBIツールは、紳士服等のAOKIで採用され、8時間の分析時間を5秒に縮めた実績を持つという。
そのほか、GPUコンピューティングに対応した「高火力」を中心としたさくらの専用サーバの紹介や、さくらのクラウド、さくらのVPS、教育向けのSINET接続サービスやクラウドの定額提供などの「文教向けソリューション」、Dockerホスティングの「Arukas」(現在無償β版)などが展示されている。
ぷらっとホーム、IoTゲートウェイの新製品
「IoT/M2M展」のぷらっとホームのブースでは、24日に発表された「OpenBlocks IoTシリーズ」の新モデル「OpenBlocks IoT VX1」を展示している。10月31日出荷開始予定の製品。
OpenBlocks IoTシリーズは、デバイスとクラウドとを接続するIoTのゲートウェイとなる製品。OpenBlocks IoT VX1では「IoTエッジコンピューティングを実現するIoTゲートウェイ」をキャッチフレーズに、CPUにAtom E3805、メモリ1GB、ストレージ8GBとハードウェアスペックを向上している。そのハードウェアの上に、処理をビジュアルにつなげてプログラミングする「Node-RED」を搭載することで、エッジコンピューティングに対応している。
また、管理のためのWeb UIを強化。さまざまなデバイスとの接続を扱うPDF HandlerによりWeb UIからデバイスとの接続を設定したり、各種クラウドサービスとの接続を扱うPD EmitterによりWeb UIからクラウドとの接続を設定したりが簡単にできる。
AWSブースもIoTソリューションを展示
アマゾンウェブサービスジャパン(AWS)も「IoT/M2M展」に出展し、「IoTはじめるなら、アマゾンで。」の言葉を掲げている。AWS自身の展示のほか、セールスフォース・ドットコムやSplunk Services Japan、PTCジャパン、SAS Institute Japanが展示している。
特にセールスフォースは、13日に日本でもAWSとの協力体制強化を発表したことを受けての展示となり、PaaSサービス「Heroku Enterprise」や、Herokuを使ったLogMEIn社のIoTプラットフォーム「Xively」などを展示している。処理をビジュアルにつなげたり、デバイスの動作をシミュレートしたり、Salesforce.comなどのクラウドサービスにデータを送ったりできるという。
クラウドストレージ「Box」のパートナーソリューション
法人向けクラウドストレージの「Box」のブースでは、パートナーによる関連ソリューションをまじえて展示している。
マクニカネットワークスは、サービス利用の可視化やコントロールするSASB(Cloud Access Security Broker)製品の「skyhigh」と、ログ分析の「Splunk」をBoxに組み合わせるソリューションを展示している。また、デジタルアーツ社の「FinalCode」は、Boxと連係し、Boxに置かれたファイルを自動的に暗号化する。京セラドキュメントソリューションズは、複合機とboxをつなぎ、スキャンしたデータを直接Boxに保存したり、FAXを直接Boxに保存したりできる「Box Connect」を展示している。