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5Gの年になる? モバイル通信業界を席巻するクラウド

 モバイル通信業界のクラウド化が進んでいる。2月から3月にかけてスペイン・バルセロナで開催されたモバイル展示会「Mobile World Congress 2022」(MWC)では、Microsoft、AWS(Amazon Web Services)など大手クラウド事業者がいっそう存在感を増した。クラウドを通信インフラに活用する例が世界で急増し、5G本番を感じさせる。あわせて、一般企業にも拡大する「プライベート5G」への動きも活発化している。

クラウド事業者がMWCを席巻

 「テレコム業界の先駆者は、AWSのソリューションを利用して、クラウドでネットワークとシステムを近代化している」。MWCの基調講演に登壇したAWSのAdam Selipsky CEOは、こう述べ、最近のキャリアとの連携の事例を披露した。

 AWSは昨年4月、モバイルに新規参入するDish Networksと協業し、5Gネットワークを完全にゼロからAWS上で構築すると発表した。Dishの5Gは、今年上半期に25の主要市場と100都市でサービスを開始する予定だ。

 Selipsky氏は、他に、Deutsche TelekomやVodacom Africaがアプリケーションの大部分をAWSに移行していることや、スウェーデンのTeliaがAI機能を備えたデータプラットフォームをAWSで構築したことなどを紹介した。キャリアとの提携が急速に進んでいる。

 一方、AT&TとMicrosoftは、通信事業者向けハイブリッドプラットフォーム「Azure Operator Distributed Services」を発表した。「全てのワークロード(コア、無線アクセス、モバイルおよび音声コア、運用管理および顧客管理システムなど)を実行できる」という。

 Microsoftは2020年に通信事業者向けソリューション「Azure for Operators」を発表している。Distributed Servicesは、その後の関連企業の買収や、昨年6月に発表したAT&Tのコアネットワーク技術の取得などを経て、Azureをキャリアグレードのクラウドに強化したものだ。

 テレコム業界との提携ではAWSとMicrosoftが先行しているが、他のクラウド事業者も後を追っている。Google Cloudは、Bell Canadaと提携して同社のコアネットワーク機能を「Google Distributed Cloud Edge」に実装したことを発表している。

 こうした動きには、いよいよ「5G SA(Stand Alone)」の時代になったという背景がある。