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仮想世界に本腰 Facebookが考えるスマートフォンの次

取り巻く環境の厳しさも

 メタバース構想は、プラットフォーマーの戦いという点でも重要だ。Facebookはモバイルインターネットでは、端末、OSともに他社製の技術に頼るしかなかった。約10年前にHTCなどと投入した「Facebookスマートフォン」の試みは見事に失敗している。

 今回、VR/ARとメタバースの取り組みを通じて、“ポスト・スマートフォン”時代の主導権を握る準備を進めていると見られなくもない。もっとも、壮大なビジョンの発表に皮肉な見方をするメディアもある。

 Ars Technicaは、「(Facebookは)社会的責任を果たしていないと批判された時、こうした革命的な技術プロジェクトを打ち出してきた歴史がある」(メリーランド大学のコンピュータ科学の教授Jennifer Golbeck博士)という見方を挙げている。

 FTC(連邦取引委員会)の独禁法提訴は6月末に却下されたが、議会では、新立法で追及を求める動きが活発だ。また、大統領選の終盤でTrump支持者が議会に乱入した際には、Facebookが利用されていたことが問題視されており、同社を取り巻く状況は厳しい。

 Ars Technicaは、「このタイミングで、注意をそらすのにメタバースは完璧すぎる」「FacebookとZuckerberg氏のことを、将来を発明するビジョナリーのように見せてくれる」と指摘する。

 Zuckerberg氏はFacebookのメタバース実現目標は「5年程度」先のこととしているが、課題は、技術面、ビジネス面など数多く立ちはだかる。

 VRヘッドセットは長時間装着するのに快適とは言い難いし、ARメガネも大きさ、処理能力、熱問題など問題が多い。メタバースのビジネスモデルも未確立だ。さらには、統治・管理をどうするかといった問題もある。

 一方で、リモートワークの浸透など追い風の要素もある。いずれにしても、月間アクティブユーザー28億というFacebookの動向は注目だ。