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国防総省のJEDIが中止に 後継プロジェクト「JWCC」とは

未来の戦闘に対応

 DoDは、戦闘の方法を変革しようとしている。米議会調査局(CRS)が作成したJADC2についての議会向け報告書(7月8日更新)には、その概要と背景が詳しく解説されている。新しいクラウド構想を知るのにうってつけの資料だ。

 JADC2は、名前の通り「オールドメイン作戦」(当初は、マルチドメイン作戦と呼ばれた)という、多次元の同時作戦で新時代の戦争に対応するコンセプトだ。“connect-everything”も掲げ、「軍のモノのインターネット」という側面も持つ。

 「空軍、陸軍、海兵隊、海軍、宇宙軍の全ての軍のセンサーを一つのネットワークに接続し」「多数のセンサーと兵器システムを接続し、AIのアルゴリズムを使って意思決定を改善することを想定」。従来のシステムは軍ごとに構築され、互換性がなく、状況の分析から命令まで数日間を要するような状態であり、これを大きく変えるものになるという。

 そしてADAは、「情報、監視、偵察データをネットワークで共有しながら迅速に処理し、攻撃の標的と最適な手段を提案」する。つまり人工知能を分析と意思決定に利用するイニシアチブだという。

 ADAは6月22日に公式に発表されたばかりだ。その際、Kathleen Hicks国防副長官は「最終的には、センサーデータのリアルタイム統合、命令と統制タスクの自動化、そして自律システム統合のために設計されたデータと作戦のプラットフォームを生み出す」と述べている。