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国防総省のJEDIクラウド契約にゴーサイン Oracleは敗訴

 米国防総省(DoD、ペンタゴン)の統合クラウド「JEDI」(Joint Enterprise Defense Infrastructure)の調達プロセスをめぐる訴訟で、連邦裁判所はOracleの訴えを退けた。約8カ月にわたった訴訟は一段落し、ゴーサインが出されたことになる。「1社総取り100億ドル」で物議を醸した国防総省クラウドは、当初の予定から大幅に遅れたが、DoDは8月末にベンダーを決定する意向を表明している。

調達基準は有効、利益相反は認められず

 7月10日の初口頭弁論のあと、12日に判断は下された。Eric Bruggink裁判長は「(Oracleは自社への)不利益があったことを証明していない」と結論した。「DoDの調達基準には法的効力があり、Oracleは求められる基準を満たせなかった」と述べている。Oracleは上訴するかの態度を明らかにしていないが、これ以上は効果的な手はないとの見方が大勢だ。

 「契約の競争から不当に排除された」とするOracleの主張は大きく2点だった。まず、DoDが設定した調達基準「ゲート基準」が特定企業に意図的に契約させる内容で「連邦調達法に違反し、契約の競争を制限する」こと。この基準には「米国内に3つ以上の大規模データセンターを運用中」「同契約規模を大きく上回る商用クラウド事業を運用」など7つの必須要件があった。結果として、AmazonとMicrosoftの2社だけが残り、Oracleは選に漏れた。

 もうひとつはDoD職員の利益相反があったとの主張だ。計画にかかわった職員がAmazonの元社員で、同社に有利になるよう契約条件を構築した(今年5月、Amazonが別の元DoD職員に就職の便宜を図ったという疑いも追加)というものだった。

 全2ページの短い命令書では、「契約担当官の組織的な利益相反は存在せず、個人的利益相反も、恣意的、専断的、裁量権の乱用、または法律に沿わない調達が影響を与えることもなかった」と続けている。より詳細な判断内容は、後日説明するとしている。

 Federal News Networkによると、DoD広報担当のElissa Smith氏は電子メールでメディアに送った声明で「調達プロセスが公正でオープンであるというDoDの立場を再確認したもの」と歓迎するとともに、「引き続き、契約完了を焦点として進める」と述べている。

 直接の担当者は、もっと安堵したことだろう。ここまで、かなり焦っていたからだ。