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企業アプリケーションを変える ノーコード/ローコード開発の台頭

開発者の役割に変化も

 ノーコード/ローコードのトレンドは、どんな変化をもたらすのだろう?

 まず、ビジネス担当が必要なサービスを自らシステム化する動きが加速することが考えられる。同時に、SaaSやモバイルが台頭したときにも指摘された「シャドーIT化」が進むことへの懸念も浮上してくる。

 この問題への対応として、Information Weekは「CIOやIT責任者は、ノーコード/ローコードを使ってアプリケーションを作成するケースと、フルコードで作成するケースについて、ガイドラインを設けるべき」とアドバイスする。

 例えば、「今月の売上台数は?」といった「構造データのみを扱う場合」はノーコード。「バックエンドと統合しつつユーザーフレンドリーなインターフェイスを持たせるアプリケーション」にはローコード。「複雑なデータベースコールやソフトウェア統合を必要とする場合」はフルコード、といった具合だ。

 このガイドラインを通じて、「ITとビジネスユーザーが協調的な開発チームで進めるべき」というのが今後への提言となる。

 開発者自身はどうすればよいのか。TechTargetは、プロではない“市民開発者”の増加とともに、プロ開発者もローコードプラットフォームについて学習しておく必要があるとの意見を紹介する。

 「開発者は一部の作業をビジネスユーザーに“オフロード”し、市民開発者のメンターやエバンジェリスト、コーチ的な役割をする人も出てくる」(Forrester Researchのアナリスト、John Bratincevic氏)というのだ。

 ノーコード/ローコードは、アプリケーション開発周辺の「文化」も変えていきそうだ。