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クラウド版Windowsの発表間近? 謎多い「Cloud PC」

 今年、Windows関連の大きな発表がいくつかあると予想されている。その一つ「Cloud PC」は、Windowsを「Desktop as a Service(DaaS)」で提供する同社純正サービスで、2021年春にも開始と伝えられている。処理もデータもクラウドに移すという大きな流れに沿ったものだ。これまでに伝えられた情報を整理してみよう。

サブスクリプション制のクラウドWindows

 Cloud PCという名称は、2020年6月5日付でMicrosoftが公開したプログラムマネージャー募集の求人情報から出てきたもので、Windowsの専門メディアが一斉に報じた。その後、求人情報そのものは消されてしまったが、次のように書かれていた。

 「Microsoft Cloud PCはWindows Virtual Desktop(WVD)の上に構築され、Desktop as a Serviceを提供する戦略的な新製品です。中核となるCloud PCは、ビジネス顧客にモダンで柔軟なクラウドベースのWindows体験を提供し、組織はよりシンプルで拡張性の高い方法で最新の状態を維持できるようになります」

 また求人情報では、Cloud PCをユーザーごとに一律の価格で販売すると説明していた。MicrosoftウォッチャーのMary Jo Foley氏は、自身の情報源と合わせて、このサービスがAzureをベースにした仮想化Windowsのサービスで、「早ければ2021年春に登場すると聞いた」と伝えている。

 Azure上からWVDでWindowsを利用するサービスは既に存在するが、OSやアプリ各製品のライセンスが必要で、従量料金のためハードルが高い。またWindows 10 Enterprise E3/E5やOffice 365 ProPlusなどをセットにした「Microsoft Managed Desktop(MMD)」というサブスクリプション制サービスもあるが、大規模企業ユーザー向けだ。

 Cloud PCは、「1ユーザー単位、定額で利用できる」という点で従来のものと異なっている。また、コンシューマーも対象とすることが示唆されていた。

 最初はこのような漠然としたCloud PCだったが、次第にその姿が明らかになってきた。