2022年8月15日 09:00
Colt Data Centre Services(以下、Colt DCS)は、2020年11月に日本最大級の施設となる「印西3データセンター」を開設した。
印西3データセンターは、千葉ニュータウンに位置し、主にクラウドサービス事業者向けのデータセンターとして、27MW(メガワット)のIT電力を供給。フロアあたり6.75MW(サーバー室あたり3.375MW)の高密度出力を実現する。
標準1000㎡のデータホール(サーバールーム)を8つ備え、UPS、空冷モジュール式チラー、冷水システム空調機をいずれもN+1構成で採用。セキュリティは「Colt Tier III」もしくは日本データセンター協会(JDCC)のファシリティスタンダード最高位に相当する。年間平均PUEは1.40以下。
印西3の建物は震度7の地震にも耐えられる免震構造で、地面と建物が切り離されているとともに、積層ゴムやオイルダンパーにより揺れを軽減する。UPS、空冷モジュール式チラー、冷水システム空調機、非常用ガスタービン発電機をいずれもN+1構成で採用し、フル負荷状態でも48時間稼働の予備燃料を備蓄している。
サーバールームは、床がフリーアクセスではなく、空調は壁からの横吹き、機器からの排気と冷気を分けたホットアイルコンテインメントを採用する。近年、クラウドサービス事業者などのハイパースケーラー向けデータセンターが多く開設されているが、こうしたデータセンターの多くがこうした構成となっている。
Colt DCSの印西キャンパスには、「印西1」「印西2」「印西3」の3つのデータセンターが稼働しており、合計50MWのIT電力を供給。クラウドサービス事業者のほか、金融事業者、エンタープライズのハイブリッド、プライベートクラウドなどに利用されているという。
Colt DCSでは、日本でのデータセンター提供すを目的として、フィデリティ・インベストメンツと三井物産との合弁事業を2021年7月に発表しており、関西地区に「Colt京阪奈データセンター」(2023年初旬サービス開始予定)の建設を進めており、さらに「印西4」(2024年サービス開始予定)、「東京5」(2025年初旬ごろサービス開始予定)の建設予定を明らかにしている。世界全体でも、ヨーロッパとアジア太平洋地域(APAC)全域で10区画の用地を確保し、総容量今後は全体で944MW規模への拡張を計画していることを2022年1月に発表している。