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Colt DCS、けいはんな学術研究都市にハイパースケールデータセンターを建設
2021年9月3日 06:00
Coltデータセンターサービス(以下、Colt DCS)は8月31日、国内4カ所目のデータセンターとなる「Colt京阪奈データセンター」を、関西のけいはんな学術研究都市に建設すると発表した。サービス開始は2023年初旬の予定。
Colt京阪奈データセンターは、クラウドサービス事業者などのハイパースケール事業者や、企業の大型データセンターへの需要に応えるよう設計されたハイパースケールデータセンター。同社が初めて関西地区に設置するデータセンターとなり、施設面積は4万2000㎡、IT電力は45MWを供給。データホールは500~1000㎡、1万5000㎡のテクニカルホワイトスペース、2000㎡のオフィス・倉庫区画を備える。同社の「Colt Tier III」に準拠した設計で、N+1集中型静的UPS(分散型冗長)、N+1間接空冷(湿式または乾式)を採用する。
Colt DCSでは、日本で高度なハイパースケールデータセンターを提供することを目的とした、フィデリティ・インベストメンツと三井物産との合弁事業を7月に発表しており、Colt京阪奈データセンターはこの合弁事業に基づいて建設される。今後はさらにこの合弁事業により、印西4(2024年サービス開始予定)と、東京5(2025年初旬ごろサービス開始予定)の2つのデータセンター建設を予定する。
Colt DCSバイスプレジデント セールス&ソリューションのクイ・グエン氏は、Colt DCSはヨーロッパとアジアにまたがる26カ所にデータセンターを展開しており、データセンター運用では25年以上の歴史を持つと説明。ヨーロッパではロンドン、パリ、フランクフルトの各都市にフォーカスしており、アジアでは日本とインドで規模を拡大しているとした。
建設するColt京阪奈データセンターについては、地盤もよく、水害にも強い、自然災害に有利な立地だと説明。また、大阪市内へのダークファイバー敷設も進めており、これはハイパースケールの顧客にも重要だと考えていると語った。
また、日本においてフィデリティ・インベストメンツと三井物産との合弁事業を行う理由としては、日本市場でもデータセンターへの需要は非常に大きいが、土地の取得や電力の確保に制約があるため、パートナーを必要としていたと説明。それらの領域に知見を持ち、顧客のこともよく理解しているとした。
日本におけるデータセンター事業については、現在提供中の施設は110MW規模となるが、現時点で建築中および開発用の土地が契約済みの施設と合わせて、610MW規模まで拡大すると説明。さらに将来的には、940MW規模の提供を目指すとした。
Colt DCSバイスプレジデント APAC代表のポードレイグ・マコーガン氏は、日本のハイパースケールデータセンターについて、大幅な成長が5年前には予想されていたが、まさにそれが現在実現していると説明。また、データセンタースペースの利用率が上がっており、新しいスペースを提供するとすぐに顧客の運用が始まるなど、利用が活発な状況にあるという。
また、APAC市場においては、急成長するインド市場のムンバイ地域が、新しいデータセンターの数で日本の印西地域と類似しており、この両市場に注力していくと語った。
日本における事業課題としては、適切な土地を見つけることと、データセンターの管理に最適な人材を採用することがあり、土地についてはこの分野で経験を持つ三井物産グループと密接に協力し、課題に取り組んでいくとした。
Colt京阪奈データセンターについては、大阪市内に向けて独自回線の敷設も計画しており、Colt DCSのデータセンターはキャリアニュートラルであることをアピールポイントとしており、複数キャリアが利用できるように進めているとした。
ハイパースケーラー事業は、同じ地域で複数の施設を利用することを求めることがあるが、こうした需要についても理解しており、引き続き関西地域で土地の獲得を進めていきたいと語った。
また、日本でもハイパースケールデータセンター建設の発表が相次いでいるが、Colt DCSではデータセンターのビジネスについて25年の実績を持っており、さらにインドやヨーロッパ、といったグローバルの運用経験や、グローバルの顧客が何を望んでいるかを深く理解している点が、一番の強みだと考えているした。