ランキングで振り返る、エンタープライズ/クラウド業界動向(9~12月)
■【9月】Windows 8がついにベールを脱ぎ始めた
連載や特集記事を中心にお届けしたためこのランキングには入っていないが、ついにベールを脱ぎ始めた「Windows 8」(開発コード名)が大きな注目を集めており、ニュースとしては5位に開発者向けプレビュー版登場の記事がランクインしている。Metro Style UIなど、現行のOSとは大きく変わる部分が多いだけに、今のうちから情報を収集しておきたいという方は多いはずだ。
また、ヤマハのルータは根強いファンがいることでも知られているが、その最新製品「RTX810」が4位に入った。今年は初めてネットワークスイッチを提供するなど、その活動の幅を広げているヤマハの動きからは目が離せない。
■【10月】教育機関でのクラウド事例が多数登場
1位は、ICT基盤をクラウド化した東京電機大のニュース。2011年は教育機関におけるクラウド事例が非常に多かった。このケースでは、電子図書の貸し出しなども実現している点がユニークだった。
また、米Oracleの本格的なクラウドサービス提供を報じる記事が7位に入った。これまでもOracle CRM On Demandなど一部のサービスは提供していたが、Oracle Fusion ApplicationsのSaaS提供や、PaaSレイヤのサービスであるOracle Public Cloudなど、今後の展開が気になるサービスが多数発表されている。
■【11月】Solaris 11がついに登場、クラウドOSへ進化
1位はUNIX OSである「Solaris 11」提供開始のニュース。「Oracle Solaris」という響きに違和感を感じるという声も多かったが、7年ぶりとなるメジャーバージョンアップということで大きな関心を集めた。
4位にはクラウドの思わぬ活用法に関心が集まったのか、クラウド型タクシー配車システムのニュースが。今までになかったサービスが生まれるのも、クラウドのメリットの1つといえるだろう。
■【12月】データを可視化する動きが浸透した1年
いわゆる“ビッグデータ”が注目されてきたこともあって、今年は、データを分析してビジネスへ活用しようとする動きが加速した。また、スマートフォンなどのモバイルの活用が進んだこともあり、この両者を関連させた話題も多かった印象がある。3位に入ったモバイル対応ビジネスダッシュボード「MotionBoard +Mobile」もこの1つ。こうした製品は来年も継続して登場してくるのではないだろうか。
一方、7位に入った半導体メモリアレイ「HP VMAシリーズ」のように、半導体メモリの活用もさまざまな分野に広がり、これを活用する製品も増えてきた1年だった。その中でもこの製品は、“最先端”の高速性を“レガシー”なバッチ処理の高速化に使う、という組み合わせが目を引いたのか、高い注目を集めていた。