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Veeam、Kubernetes向けデータ保護ソリューションの新版「Veeam Kasten for Kubernetes v8.0」を発表

 米Veeam Software(以下、Veeam)は現地時間20日、Kubernetes向けのデータ保護ソリューションの新バージョン「Veeam Kasten for Kubernetes v8.0」を発表した。新バージョンでは、従来の仮想マシン(VM)とクラウドネイティブ環境の両方に対応できるようになり、企業のデータレジリエンスをより強化できるとしている。

より強固なセキュリティと運用を効率化する機能が加わり、Kubernetes環境におけるデータ保護のレベルをさらに高められるほか、エンタープライズ向けの最新の仮想化技術、強化されたセキュリティ、大規模環境でのスムーズな運用、そして柔軟な選択肢を提供します。本発表は、企業が統合インフラストラクチャ上でデータを安全で簡単かつシームレスに管理できる環境づくりを行い、高水準のデータレジリエンスを実現するというVeeamのコミットメントを示すものです。

 Veeam Kasten for Kubernetes v8.0では、Kubernetes上のVMとコンテナ化されたアプリケーションのデータレジリエンスを統合し、運用効率と生産性を向上させる。KubeVirtのVM向けの新しいファイルレベルリカバリー(FLR)は、リストアにかかる時間を短縮し、手動でのプロセスが必要ない粒度の細かいリストアを可能にする。組織がVMのクローン全体をリストアする必要なく、バックアップから個々のファイルを復元できる。

 さらに、新しいVMダッシュボードは、クラスターのネームスペース全体にわたるワークロード中心の表示を提供し、各VMのKubernetesに依存するリソースを特定するプロセスを簡素化する。これにより、バックアップの一貫性を設定する作業も簡単になる。

 また、マルチCPUアーキテクチャのサポートにより、組織はARMやIBM Powerなどのオプションを活用してコストを最適化できる。Veeam Vaultとの統合は、予期せぬコスト増を防ぐ安全でフルマネージドのオフサイトバックアップを提供し、Kubernetes環境を含むデータ保護を拡大しつつ、すべてのデータをVeeamの管理下で保有している企業に適した機能となる。

 Veeamは、NetApp Tridentストレージプロビジョナーのサポートを拡大し、ONTAP NAS「Economy」ボリュームのバックアップ機能を提供する。これにより、顧客は多様なストレージソリューション間でシームレスにバックアップを実行し、独自の環境に最適なオプションを選択できる。

 セキュリティの強化では、セキュアなセルフサービス型クロスクラスター移行や、Kasten Podsへの制限付きアクセス権限などの機能により、ユーザーはセキュリティリスクを最小限に抑えながら、Kubernetes環境を安心して管理できる。Kasten Podsの権限制限などのセキュリティ対策は、最小権限のアプローチを採用することで、リスクを軽減しコンプライアンスを強化する。ISO 27001認証は、Veeamが業界をリードするセキュリティ基準にコミットメントしていることを示し、顧客のセキュリティプロファイルを向上させる。

 さらに、暗号化パスキーの管理を簡素化することで脆弱性を軽減し、企業は堅固なセキュリティを維持しつつ、運用効率を最適化できる。

 運用面では、刷新されたユーザーインターフェイスにより、導入、ポリシー作成、継続的な運用を簡素化する。機能強化には、ポリシー管理システムの簡素化と復元ポイントカタログが含まれ、ユーザーはバックアップの管理や復元操作を高いレベルで一元的に行える。ポリシーごとの保護ステータス機能により、特定のネームスペースに適用されたポリシーを迅速に特定でき、可視性が向上し、効率的な対応が可能になる。これらの機能強化は、新任の管理者から経験豊富な管理者まで、すべてのユーザーがKubernetes環境を大規模に管理する際に、より使いやすい体験を提供する。

 Red Hat OpenShift Virtualization Engineは、Kubernetesを基盤とするハイブリッドクラウドのアプリケーションプラットフォームであるRed Hat OpenShiftプラットフォームを使用して、レガシーな仮想化機能を代替することを目指す組織向けの専用ソリューション。Veeamは、VMファーストのアプローチをサポートするために、Red Hat OpenShift Virtualization Engineとシームレスに連携でき、価格オプションがカスタマイズできる「Kasten for Modern Virtualization」をリリースした。

 このソリューションは、VeeamとRed Hatの販売連携を通じて開発され、モダンな仮想化に対するセキュリティ強化かつコスト効率の高い基盤を提供する。これにより組織は運用効率を向上させながら、クラウドネイティブへのシフトを実現できるとしている。

 Veeam Kasten for Kubernetes v8.0とKasten for Modern Virtualizationは、グローバルおよび日本で現在利用可能。