静岡県、災害情報の広域連携システムにセールスフォースの「Force.com」を採用


 株式会社セールスフォース・ドットコム(セールスフォース)は27日、同社のクラウドプラットフォームを用いて、静岡県が「新災害情報システム SAVERS」を構築したと発表した。7月より稼働を開始しているという。

 今回構築されたシステムは、防災を中心に、救出・救護を重視し、広域連携での災害情報の集約・分析・情報提供を行う情報システム。堅固なデータセンターにシステムが設置されているクラウドサービスは災害に強く、県庁が被災した場合でもシステムの保全性に優れていることから、クラウドベースでシステムを刷新したという。

 また、緊急時に利用者が急増しても、ユーザー数を追加して数万人規模で活用できる柔軟性や、柔軟かつ迅速なカスタマイズが可能な点もクラウドサービスも評価されたとのこと。特にカスタマイズに関しては、隣接する各県・各市町など、関係各組織の固有要件に対応する場合に、クラウドプラットフォームを活用すればすぐ対応できるとしている。

 具体的な構成としては、セールスフォースのPaaSプラットフォームである「Force.com」を用いて構築された「防災情報共有システム」を中核とし、GIS(地理情報システム)、気象庁防災情報XMLフォーマット、携帯電話のエリアメールなどと連携した。

 なお、災害発生時における被災者の生存率を高めるためには、災害発生後72時間の救命・救助活動が鍵と考えられているが、その際の重要な要素となる、道路、ヘリポート、避難所、救護所に関する情報を、携帯電話から文字・GPS・写真などを付加して送信可能。これによって、関係組織のニーズに即した災害情報を提供できるとのことだ。

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(石井 一志)
2011/9/27 10:24