東京電機大学、千住キャンパス開設を機にICT基盤をクラウド化

3キャンパスを統合。図書館電子化も実現


東京千住キャンパスの完成イメージ

 富士通株式会社は20日、東京電機大学(TDU)のICT基盤をプライベートクラウド化したと発表した。2012年3月までにシステムを移行し、同年4月の本格運用を目指す。

 TDUは、学園創立100周年記念事業の中核事業として、2012年4月に東京千住キャンパスを開設する。それを機に、現在の東京神田、埼玉鳩山、千葉ニュータウンの3キャンパスのICT基盤を統合し、富士通のデータセンターにプライベートクラウドとして刷新した。これにより、システム運用を効率化し、事業継続性を強化するとともに、仮想化技術でサーバーを約6割削減するという。

 また、新図書館システムも10月に稼働させ、図書館ポータルや電子図書館などを充実させる予定。従来、各図書は磁気テープで管理していたが、ICタグ(RFID)に変え、より効率的なサービスや管理を実現。新図書館システムはバーチャル図書館機能を備え、PC上に3キャンパスの図書全ての本棚イメージが表示され、実際の本棚で本を選ぶかのような貸出環境を整える。

 さらに丸善、DNPの電子図書館サービスと連携する機能も追加し、電子書籍の閲覧も可能とした。同機能では、図書検索結果に紙の図書と電子書籍の両方が表示され、同じプロセスで「貸出・予約・返却」が行える。電子書籍の場合は、返却期限日に自動返却されるため返し忘れの心配もないという。

電子図書館(TDU Digital Library)バーチャル図書館

 東京千住キャンパスでは、Webシステム開発ソリューション「RapidWeb+」により、授業出席・教室管理を行うWebシステムを2012年4月に稼働させ、学生の出席管理を実現。教室などの各管理システムと空調システムとの連動による省エネ化も実現させるとともに、図書館の地域開放も行う予定だ。

 今後は、大学向け統合ID管理パッケージ「UnifIDone」を中核としたシステムにより大規模なID配布を行い、生涯IDベースの管理、全システム認証方式の統一などを実現して、ID管理負荷も低減させる。具体的に、来年度より全キャンパスの教職員・学生、派遣社員やアルバイトなどのパートナー、卒業生、図書館利用などの外来者、取引先業者などの外部業者など学園関係者情報に、「TDU-ID」を付番して一元化。ICカード化される学生証や教職員証といった情報もすべて統合的に管理するという。

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(川島 弘之)
2011/10/21 06:00