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ヤマハ、全ポートGbEのVPNルータ「RTX810」~“スマートフォン向け”VPNに対応

ヤマハ製スイッチとの連携もサポート、全管理機能が利用可能

 ヤマハ株式会社は7日、全ポートがGigabit Ethernet(GbE)に対応したVPNルータ「RTX810」を発表した。価格は7万1400円で、11月上旬の発売を予定する。

 「RTX810」は、主に中小規模VPN市場を想定していたVPNルータ「RT107e」の後継として提供される製品。従来機で好評だった基本機能は引き継ぎながらも、上位機の「RTX1200」と同様、全ポートを1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T対応にしたり、スループットを最大1Gbps(従来は最大200Mbps)へ高速化したり、Luaスクリプトに対応したり、といった性能強化が図られている。

RTX810

 VPNスループットも最大200Mbpsに強化されたほか、従来同様のIPsec(DES/3DES/AES)に加えて、RT107eでは対応していなかった、PPTP、多くのスマートフォン/タブレット端末(スマートデバイス)でサポートされているL2TP/IPsecも利用可能。スマートデバイスから社内への安全な接続が行いやすくなっている。

 インターフェイスは主にWAN向けの1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-Tポート、主にLAN向けの4ポートスイッチを搭載。さらに、USBポートを1基備えており、3G対応のUSBデータ通信端末を接続すれば、イベント会場や工事現場といった、常設の有線回線が設置しづらい場所でも利用できるという。またUSBポートやmicroSDスロットを利用したログのインポート/エクスポートに対応。今回から追加されたパワーオフログ保存機能、リブートログ保存機能を使えば、電源スイッチ切断時、リブート時のログもきちんと確保することが可能だ。

 さらに特筆すべき点としては、ヤマハ初のLANスイッチとして2月に発売されたレイヤ2スイッチ「SWX2200シリーズ」との連携機能を備えている点が挙げられる。SWX2200シリーズは単体では管理機能を持たないものの、RTX1200、NVR500といったヤマハのルータと連携し、ルータのGUIを用いたさまざまな管理を実施できるのが特徴。コスト面で大きな追加をしなくとも、マネージドスイッチに近い機能を利用可能という。

 今回、RTX1200よりも安価なRTX810からでも、NVR500では一部機能が使えなかったスイッチ管理の全機能が利用可能になり、ユーザーの選択肢が増加したほか、L2TP/IPsecと併用することによって、スマートデバイスを用いたスイッチのリモート管理も行いやすくなる。ヤマハではこうした点を示して、「SWX2200シリーズ」の価値を引き続き訴求していく考えだ。

 なお、機能強化と同時に省電力化が図られているのも大きな点で、100BASE-TXでの利用時は、RT107eが3.7Wだった消費電力を、RTX810では3.1W(USB/microSDポート未使用時)に削減。消費電力が大きくなる1000BASE-T利用時(同)でも、5.2Wにとどめられている。また、動作保証温度が50℃へ引き上げられているので、空調の入っていない土日のオフィスで利用したり、温度の高くなるサーバールームで利用したり、といった節電環境下での利用ニーズにも応えられるとのこと。