富士通のスパコン「PRIMEHPC FX10」が東京大学情報基盤センターに採用、1.13ペタFLOPSを実現
富士通株式会社は14日、国立大学法人東京大学情報基盤センター(以下、情報基盤センター)の新スーパーコンピュータシステムを受注したと発表した。このシステムは、理化学研究所と富士通が共同開発しているスーパーコンピュータ「京」で培った技術を生かして開発された、最新のスーパーコンピュータ「PRIMEHPC FX10」を用いて、理論演算性能1.13ペタFLOPS(フロップス)を実現するという。稼働開始は2012年4月の予定。
情報基盤センターは、1965年に全国共同利用施設の大型計算機センターとして発足して以来、1500名以上の研究者に学内外で利用されている。今回、同センターでは増加する多様なユーザーと大規模アプリケーションへの対応を目的に、PRIMEHPC FX10の採用を決定した。
同センターでは、電力あたり性能が優れていることを採用理由の1つに挙げているほか、同センターの利用者の多くが、理化学研究所と富士通が共同開発しているスーパーコンピュータ「京」の利用者でもあるため、PRIMEHPC FX10の「京」との高い互換性も考慮されたという。
具体的な規模としては、4800ノード(50ラック)のPRIMEHPC FX10を計算ノードとして採用するほか、周辺システムとしてx86サーバー「PRIMERGY」74台、ストレージシステム「ETERNUS」234台(ローカルファイル1.1PB、共有ファイル2.1PB)、HPCミドルウェア「Technical Computing Suite」とそのコンポーネントとなる分散ファイルシステム「FEFS」なども導入される。
なおこのシステムでは、地球科学、宇宙物理学、地震学、気候モデリング、材料科学、エネルギー、生物学、流体力学、固体力学など、さまざまな科学技術分野などでの活用が期待されているとのことだ。