日本HP、統合運用管理ソリューションの新版「HP BSM 9」

分散された監視ツールの統合・整理を実現


執行役員 HPソフトウェア事業統括の中川いち朗氏

 日本HPは25日、最新技術を搭載した統合IT運用管理ソリューション「HP Business Service Management 9(以下、HP BSM 9)」を発表した。11月1日より出荷する。

 HP BSM 9は、統合コンソール・システム監視やアプリケーションパフォーマンス管理(APM)、ネットワーク管理などのツールをそろえるソフトウェアスイート製品。

 新版では、新たにイベント管理製品「HP Operations Manager i software(以下、HP OMi)」を搭載した。HP OMiでは、サーバー・ストレージ・ネットワーク・サービスなどの各種監視製品から収集される構成情報を、ビジネスサービスを構成するコンポーネントの依存関係を含めて、リアルタイムに集約するデータベース「ランタイム・サービスモデル」を採用する。この情報を基に、分散された監視ツールの統合・整理を支援し、“トポロジーベースのイベント処理”を実現するのが特長となる。価格は420万円から。

 具体的には「ランタイム・サービスモデル」に最新のITサービスの状況をモデル化する。ITサービスのどこかで障害が発生した際に、構成情報の親子関係などから障害の原因イベント症状イベントを関連付け、根本原因となっているイベントを表示できる。きわめて大規模な環境や仮想化での頻発する構成変更に対しても、リアルタイムかつ的確にデータを反映し、運用コストを抑えられるという。この“リアルタイム性”が従来の構成管理データベースにはない新たな優位点となる。

HP BSMコンポーネントHP BSM 9の概要図

ランタイム・サービスモデルの概要図。IT構成情報を他社製品も含め、リアルタイムに収集する障害発生時に、ランタイム・サービスモデルの情報を基に、影響先や根本原因を自動で特定

 執行役員 HPソフトウェア事業統括の中川いち朗氏は「仮想化、クラウド、モビリティによりIT基盤は複雑化している。IT運用管理においても、これまでは環境が比較的静的だったので関係者が集合すれば対応できていたが、分単位で環境が変化するような仮想化・クラウド環境では、管理対象が増加・複雑化しても運用コストが増加しない新たな仕組みが必要となっている」と現況を指摘。HP BSM 9はそうした課題への解決策として訴求する考えを示した。

HP SHR/Oの概要図。システム構成と稼働状況から仮想マシンの最適配置をレポート

 HP BSM 9では、この「ランタイム・サービスモデル」を基に、「HP Service Health Reporter/Optimizer(HP SHR/O)」も今後提供する予定。これはシステム構成と稼働状況から仮想マシンの最適配置をレポートする製品で、サービスレベルを保ちつつ、リソースの集約率を向上できるという。これも「ランタイム・サービスモデル」のリアルタイム性があってこそ実現できる機能となる。

 HP BSM 9には、これ以外にも、トランザクション管理製品「HP Business Process Monitor software 9」、アプリケーション性能監視製品「HP Diagnostics software 9」、ユーザーエクスペリエンス監視製品「HP Real User Monitor software 9」、サービスレベル管理製品「HP Service Level Management software 9」、システム可用性管理製品「HP System Availability Management software 9」などが含まれる。いずれもHP BSM 9対応バージョンを順次リリースする予定だ。

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