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ServiceNow Japan社長、「2025年はAIプラットフォーマーとして進化する」

日本市場での取り組み、最新版「Yokohama」の特徴などを説明

 ServiceNow Japan合同会社は2日、2025年の日本市場での取り組みと、ServiceNow Platformの最新版「Yokohama」について説明会を開催した。

 ServiceNow Japan 執行役員社長の鈴木正敏氏はまず、2024年度を振り返り、売上が109億8400万ドル(約1兆6000億円)に達したと述べたうえで、「日本での成長率はグローバルを上回り、従業員数や顧客数、パートナー数も順調に増加している。生成AIのNow Assistも好調だ」と語った。

ServiceNow Japan 執行役員社長 鈴木正敏氏

 国内では、2024年の事業方針として、業界向けビジネスを加速させること、「Beyond CRM」として進化した顧客体験を実現すること、日本発のパートナーエコシステムを確立すること、中堅/成長企業市場向けの事業を本格展開すること、顧客ファーストの価値提案と支援を実行することを挙げていた。

 鈴木氏は、これらがすべて計画通りに進捗したと話す。「業界別では、特に製造と金融業向けビジネスが大きく成長し、CRMでは広範囲のプロセスを統合した新たな顧客体験を提供するとともに、Now Assistを活用した事例が増加した。日本発のパートナーエコシステムとしては、富士通とグローバルレベルのパートナーシップを発表したほか、日本のさまざまなシステムインテグレーターとの協業に取り組んでいる。中堅/成長企業向けの事業も初年度に大きな成果を上げ、売上や新規顧客獲得数で好調な成績を収めた。同時に、顧客DXにおけるServiceNowの重要性が高まり、パートナーとの緊密な連携を通じて顧客の成功を支援している」と、鈴木氏は1年間の成果を説明した。

 2025年の国内における重点取り組み分野としては、「AIプラットフォーマーとして進化する。また、次世代CRMで顧客体験の革新を実現する」(鈴木氏)という。

ServiceNow Japan 2025年の重点取り組み分野

 まず、AIプラットフォーマーとして進化することは、「少子高齢化による労働力不足が深刻化する日本社会において重要なことだ」と鈴木氏は主張、「AIは単なる課題解決の手段ではなく、企業や社会全体を変革する機会だ。AIは人の能力を拡張し、人が本質的な業務に集中できる環境を構築する」と語る。

 そのうえで鈴木氏は、「経営基盤を強化しつつ、従業員の働きやすさと顧客体験の向上を実現し、企業のデジタルブレイクスルーを促進する次世代のAIプラットフォームが必要。そのプラットフォームを提供するのがServiceNowだ」と述べている。

 「ServiceNow AIプラットフォームでは、さまざまな業務に使えるユースケースが事前に具備されているほか、データ活用のために他システムとのデータ連携口が事前定義されている。また、ワークフローにAIが組み込まれており、実行までをサポートする」と、鈴木氏はその価値を説いた。

ServiceNow AIプラットフォームがもたらす価値

 CRMについては、「従来のCRMは、主に顧客接点の営業活動やコンタクトセンターのデジタル化、および顧客データの一元管理に焦点を当ててきた。しかし、これではミドルやバックオフィスとの連携が不足し、顧客対応スピードやサービス品質の向上が課題になる」と鈴木氏は指摘。「ServiceNowの提唱する次世代CRMは、顧客接点部門だけでなく、ミドル・バックオフィスを含めたエンドツーエンドのプロセスを統合し管理する。これにより、さまざまな部門が関与する問い合わせに対し、より迅速かつ高品質なサポートを提供できる環境が整い、顧客満足度が高まる」としている。

 同社の次世代CRMソリューションは、セールスからフロントオフィス、ミドル・バックオフィスまでを、単一のプラットフォームでつなぐという。「それぞれのプロセスでAIエージェントが支援し、リード管理や商談管理、受注管理、コンタクトセンター、カスタマーサービスマネジメントなどの広範な機能を提供する。AI、データ、ワークフローが緊密に連携する基盤として、ServiceNow Platformが顧客体験の革新を支える役割を担う」と鈴木氏は述べた。

ServiceNowの提唱する次世代CRM

 3月には、ServiceNow Platformの最新版「Yokohama」をリリースした。Yokohamaリリースでは、AIエージェント機能が強化され、AIが自律的に業務を推進できる環境へと進化。これにより、「人が業務の中でAIを使う段階から、AIが主体的に業務を実行し、そのAIを人が管理するステージへと移行する」と、ServiceNow Japan 常務執行役員 COOの原智宏氏は話す。

ServiceNow Japan 常務執行役員 COO 原智宏氏

 Yokohamaリリースでは、「Workflow Data Fabric」という機能も新たに登場した。Workflow Data Fabricは、ServiceNow Platform内外のビジネスクリティカルなデータを統合し、ワークフローが効率的に実行できる仕組みを提供する。

 また、既存のプリビルドAIエージェントに加え、特定の業務ニーズに合わせたAIエージェントをカスタマイズして開発できるよう、「AI Agent Studio」も用意した。自然言語ベースでのプロンプト入力によって、AIエージェントがカスタマイズできるという。

 AI技術を正しく活用するためのガードレールとして、「Now Assist Guardian」も実装した。AIの利用を監視し、不正なプロンプトやデータインジェクションによる攻撃を防ぐ機能を提供する。また、AIエージェントが不適切な回答をしないよう、必要に応じて応答を抑止し、人間へと業務を引き渡す。これにより、「ユーザー体験の質を保ち、企業が安心してAIを業務に活用できる環境を提供する」と原氏は述べている。

Yokohamaリリースの特徴

 なお、ServiceNow Platformのリリース名称は、ABC順に世界各地の名称が用いられている。次期リリースは「Zurich」で、その次は「Australia」と、再度Aから始まることが決まっている。