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JDIの茂原工場がパネル生産終了へ、跡地はAIデータセンターとしての活用目指す

 株式会社ジャパンディスプレイ(JDI)は、千葉県茂原市内の自社工場における映像表示パネルの生産終了を取締役会で決議した。将来的には同工場を売却し、AIデータセンターとしての活用を見込むという。なお生産体制は石川県能美郡の石川工場に集約する。

 JDIの発表によれば、同社が主力としてきたディスプレイ産業は市場競争が激しく、慢性的な赤字体質の要因となっている。体制の改善による早急な黒字化、さらにはセンサー開発など新事業への進出にも取り組んでいるが、茂原工場は固定費負担が大きいという課題があった。そこで2026年3月をメドに茂原工場での生産を終了する。削減効果は250億円と試算している。

 茂原工場の従業員数は1323名(2025年1月31日時点)。人員面での対応については、協業先との協議などを進めており、決定次第発表する。一方、工場資産については、AIデータセンターのニーズがある多数の企業と、資産売却を主眼に交渉を進めているという。

 茂原工場が担っていた車載用パネルの生産については、作り溜め、石川工場への生産移管、ファウンドリーパートナーからの調達などの対応を図る。またOLEDディスプレイは自社生産を中止し、委託生産に向けての協議を進める計画。