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インターフェイスを細部まで磨き上げた――、スーパーストリームのERP基盤「SuperStream-NX 2.0」

グローバル対応フレームワークも提供

 スーパーストリーム株式会社は、経営基盤ソリューション「SuperStream-NX」の最新版となる「SuperStream-NX Ver.2.0」を、6月1日から提供開始すると発表した。

 この3月にスーパーストリームの代表取締役社長に就任した大久保晴彦氏は、「SuperStream-NXは、年商100億円以上の企業をターゲットにしている。8000社の導入インパクトがあり、中堅・中小企業向けでは国内ナンバーワンシェアだ。年商500億円以上の大企業においても2位のシェアとなっている。企業の会計・人事システムのリーディングカンパニーとして、パートナーとともに、最適な経営基盤ソリューションを提供する」と意気込む。

スーパーストリーム 代表取締役社長の大久保晴彦氏
SuperStream-NXの注力するターゲット

業種ごとの業務ノウハウと日本の商習慣を踏まえた製品開発

 スーパーストリームは、キヤノンマーケティングジャパングループでITソリューション事業を展開するキヤノンITソリューションの子会社で、同社が開発、販売する会計・人事給与システム「SuperStream」は、1995年6月の発売以来、国内の中堅・大手企業を中心に、8404社で導入。そのうち、上場会社への導入は761社に達するという。

 さまざまな業種の業務ノウハウと日本の商習慣を踏まえた製品開発が特徴だ。

 スーパーストリーム 企画開発本部長の山田誠取締役は、「時代の変化などをとらえて、満を持して投入するのがSuperStream-NX Ver.2.0。純国産のERPとして、会計および人事給与に特化して事業を進めてきたスーパーストリームが、これまでの多くのユーザーの利用に対する恩返しのために、丹精を込めて開発した」とする。

 また、「SuperStream-NXの利用で最も多いのが、年商100~300億円の企業。強固な経営規模の確立、ガバナンスの強化、グローバル対応、働き方対応に貢献できる製品として進化したものであり、国内外を含めたグループ全体の経営状況を迅速に把握し、管理会計を実現する『経営の可視化』、会計・人事のバックオフィス業務の統合などによる『業務効率をあげる仕組み』、クラウド基盤の活用による『最新ITの活用』を実現する」と述べた。

スーパーストリーム 取締役 企画開発本部長の山田誠氏
中堅・大手企業の課題と対応

SuperStream-NX Ver.2.0の新機能

 SuperStream-NX Ver.2.0では、使用頻度が高い機能やファイルを選択し、登録することができるマイメニュー機能を搭載。ExcelやWordなどのデータファイルなどの呼び出しを容易にしたほか、フラットデザインとユニバーサルデザインを採用し、直感的な操作が行えるようにデザインを一新。ベースカラーや文字フォント、表示サイズを利用者ごとに変更することができる。

 「会社やユーザーごとに7色のカラーで色分けでき、文字をなるべき使わずにアイコンで理解できるようにした」(山田取締役)という。

 フリーレイアウト機能も搭載し、仕訳入力画面のフレームワークを分割するなど、レイアウトを自由に変更できるようにした。

 さらに、ユーザーが任意に一覧の表示レイアウトを指定できる「Excel Report」や、汎用帳票としてExcelの帳票テンプレートを設定できる「Excel差込」、画面表示のレイアウトに対して、使い勝手の良いピボット機能を標準提供する「Pivot Report(集計機能)」、グラフなどのグラフィカルな表現により、データを直感的に把握できる「ReportPlus」といった各機能を新たに追加。作表や集計作業の効率化を図れるという。作成したレポートは、ExcelやPDFに出力できる。

 「これまで培ってきた現場の知見を生かし、入出力インターフェイスを細部まで磨き上げることで、快適な操作を実現。会計や人事給与などの企業のバックオフィス業務の負担を軽減できる。Excelのような使い勝手の良さを提供し、新たなツールを導入することなく、容易に作表や集計作業を行うことができるため、出力業務の大幅な効率化が図れる」という。

業務効率を上げる仕組みを提供
データを直感的に把握できる「ReportPlus」

 また、ダッシュボード機能の標準搭載により、予算と実績を対比させたグラフを表示するなど、企業の経営状況を可視化。日系企業のグローバル化に対応するため、日付やフォントタイプなどを各言語単位で切り替え可能なグローバル対応フレームワークを提供。「英語のほかにも、将来は中国語、タイ語、ベトナム語などにも対応する。現時点でも、すでにシンガポール、マレーシアの税制にも対応できるようになっている。さらに、日本語、英語、中国語、タイ語のフォントにも対応している」という。

 そのほか、マニュアルの参照や最新モジュールのダウンロードがクラウドを通じて行える「Internet of Accounting(IoA)」も提供する。

 「IoAでは法人番号を活用して認証するものになる。OSやパッチ、バージョンアップからの解放が可能になり、eラーニングの提供や、会計および人事に関する役立ち情報の提供のほか、将来的には、顧客からの意見を反映し、製品開発にフィードバックする仕組みや、マスターデータの提供などの仕組みも構築したい」という。

Internet of Accounting(IoA)の提供

 クラウドサービスは、AWSを活用したマルチテナント形式での提供のほか、キヤノンMJグループのデータセンターを活用したクラウドサービスも提供する。

SuperStream-NX Ver.2.0の展開

 同社ではSuperStream-NX Ver.2.0を、2020年末までに1万社へ導入する計画だ。

 SuperStream-NXの価格は、オンプレミスのスタンダードユーザー版(5ユーザー)が500万円から。クラウド版はパートナーを通じた販売になり、1年契約での月額モデルとなるが、価格については公表しなかった。

 手形、電債、ファクタリング機能のリリースは2017年8月に予定。さらに、2017年7月からは、SuperStream Coreから、SuperStream-NXへの移行ツールの提供を開始する。

 「約3500社のSuperStream Coreのユーザーを、SuperStream-NXに移行させていくことが重要な鍵になる」(山田取締役)としている。

製品ロードマップ

 大久保社長は、「SuperStream-NXのすべては、約100社のパートナーを通じた販売体制となっている。ERP市場の飽和感はあるが、パートナーへのアプローチを変えていくことで競争力が上がる。会計システムとして売りに行くのではなく、パートナーのソリューションと組み合わせた形で基幹系システムから入り、そのなかに会計としてのSuperStream-NX Ver.2.0があるという位置づけで展開する。基幹系システムとして、SuperStream-NX Ver.2.0がいかにフィットするかという点での切り口で展開する」などとした。

 さらに、「キヤノンMJグループとしてのシナジーを、この製品のなかに取り込んでいく。ドキュメントソリューションに強みを持つキヤノンMJのノウハウや、基幹システムで実績を持つキヤノンITソリューションズの強みを生かすだけでなく、キヤノンMJグループの沖縄および西東京のデータセンター、ビジネスプロセスアウトソーシングを行うキヤノンビズアテンダとの連携、タイや中国、ベトナムに展開するMaterial Automation Thailandによるグローバル展開のノウハウも活用していく」とした。

SuperStream-NX Ver.2.0の画面イメージ