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スーパーストリーム、請求書解析専用AIを搭載した「SuperStream-NX AI-OCR(請求書明細)」
非定型の請求書でも明細情報まで画像解析・仕訳作成に対応
2021年5月25日 08:00
キヤノンマーケティングジャパングループのスーパーストリーム株式会社は、請求書の解析に特化したAI搭載の「SuperStream-NX AI-OCR(請求書明細)」を、6月1日から提供開始すると発表した。
5月24日には、経営基盤ソリューション「SuperStream-NX」のビジネス戦略、および新製品の概要についてオンライン説明が行われた。
「SuperStream-NX」シリーズは、統合会計から固定資産管理、人事管理、給与管理、AI・OCRソリューション、APIサービスなど20以上の会計・人事システムで構成される経営基盤ソリューション。
今回提供を開始する「SuperStream-NX AI-OCR(請求書明細)」は、請求書入力業務にフォーカスしたAI-OCRの新たなオプション製品だ、OCRに請求書の解析に特化したAI技術を組み合わせることで、非定型の請求書でも明細情報まで画像解析(請求書情報読取)を行って、読み取った情報を基に仕訳データを自動作成し、煩雑な請求書の入力業務負担軽減と業務効率化を実現する。
スーパーストリーム 代表取締役社長の角田聡志氏は、新製品の発表に合わせ、「SuperStream-NX」のビジネス戦略について、「当社では、中堅から準大手企業向けの会計・人事給与システムとして『SuperStream-NX』シリーズを展開しており、今年3月末時点で、累計9779社の企業に提供している。このうち上場企業の導入実績は822社となっている。2021年度末には、導入社数1万社達成を目指す」との目標を掲げる。
「今後、ERP市場はオンプレミスからクラウドを中心とした市場に変わるとみている。その中で当社は、『ダントツな製品力』『クラウド変革』『パートナーシップ』の3つを重点戦略としてビジネスを推進していく。まず、スピードを持った商品企画と開発力で、競合にダントツな製品を作り上げる。また、クラウド専門部隊『SSクラウド部』を新設し、サブスクリプションのビジネスモデルへの変革を図る。そして、85社のパートナー企業とともに、ソリューション提案を加速していく」との方針を示した。
スーパーストリーム 取締役 企画開発本部長の山田誠氏は、新製品「SuperStream-NX AI-OCR(請求書明細)」をリリースする背景について、「新型コロナウイルスの影響で、リモートワークへのシフトが進む中で、経理・人事担当者はこれまでの商慣習や紙文化などにより、コロナ禍でも会社に向かわざるを得ないのが現状だ。経理部門のテレワークを促進させるためには、『紙の撤廃』、『クラウドの利用拡大』、『AI・RPAの活用』の3つのポイントが重要となる。この中でも、経理部門のAI活用として注目されているのがAI-OCRであり、当社のユーザーアンケートでは、AI-OCRによる業務効率化をユーザーの約半数が期待していることがわかった」と述べた。
「SuperStream-NX AI-OCR(請求書明細)」では、こうしたニーズに対応し、煩雑な請求書の入力業務負担軽減と業務効率化をAI-OCRで実現する。具体的には、数多くのSuperStreamユーザーが受領し読み取った請求書(PDF)を日々ディープラーニングで学習し、人工知能の精度を高め、請求書に記載されている住所・請求書番号・支払日・請求金額だけでなく、請求書明細に複数行に分かれて記載されている製品名、数量、単価、金額などの情報を画像解析し読み取ることが可能。請求書読み取り専用AIを搭載しているため、事前に請求書ごとに読み取る箇所を設定しておく必要はないという。
仕訳データの自動作成では、読み取った請求書情報を基に勘定科目を推論するとともに、複数の勘定科目・部門に振り替えた仕訳データを作成し、その信頼度と合わせてSuperStream-NXの会計システムに連携する。また、特殊な仕訳ルールが存在する場合は、個社別のルール設定も行えるため、仕訳の精度をさらに高めることができる。このほか、SuperStream-NXの証憑管理e文書対応オプションと組み合わせることで、電子帳簿保存法やスキャナ保存制度にも対応し、請求書の電子保存が可能となる。
「『SuperStream-NX AI-OCR(請求書明細)』を活用することで、経理担当者は、今まで手入力で行っていた請求書の入力作業をAI-OCRに任せることができる。これにより、入力作業時間を大幅に削減できるとともに、入力ミスも防げる。また、請求書の取り込みを夜間にバッチ処理しておくことで、経理担当者は、出社して入力内容を確認するだけの業務ですむため、残業時間の削減にもつながる」(山田氏)と、導入メリットを強調した。
製品はサブスクリプション形式での提供隣、価格は、Sプラン(4800枚/年間)が年額180万円から、Mプラン(1万2000枚/年間)が年額360万円から。別途、導入費用が必要となる。