ニュース
さくらインターネットとJERA、発電所構内のデータセンター新設に向けた基本合意書を締結
2025年6月6日 08:30
さくらインターネット株式会社と株式会社JERAは5日、電力インフラと連携したデータセンターの新設に向けた、検討に関する基本合意書を締結したと発表した。
さくらインターネットは、AI需要に応えるための基盤整備を実施し、それに伴い増大するデータセンターの消費電力に対して、再生可能エネルギーを活用した脱炭素化にも取り組んできた。JERAは、安定供給と脱炭素化の両立を求める顧客ニーズに応えるため、クリーンエネルギー供給基盤の構築を進めており、大規模かつ低炭素・脱炭素な電力の供給に取り組みを進めている。
両社は、AI技術が著しい進歩を遂げており、今後の社会を便利に・豊かにしていく役割が期待される一方で、高度なAI技術を支えるDCは莫大な電力を消費するという社会課題が明らかになっていると説明。これに対して、再生可能エネルギーに限らないクリーンな電力活用においても脱炭素化を目指すさくらインターネットと、エネルギー分野のゼロエミッションに先駆的に取り組むJERAが、お互いの強みを生かして社会課題の解決に貢献できると考え、合意書の締結に至ったとしている。
合意書は、JERAが所有する既存の発電所構内において、データセンターの整備を検討していくことを定めたもので、検討が進捗することにより、JERAのクリーンな電力を活用したデジタルインフラを、さくらインターネットから提供することが可能になる。
両社は、電力と通信の連携(ワット・ビット連携)の推進を通じて、産業構造の高度化に不可欠なデータセンターの整備を加速し、国内の「デジタル赤字の解消」「電力インフラの効率的な活用」「脱炭素への貢献」そして「日本の産業競争力の強化」の実現を目指していくとしている。
具体的には、東京湾内をはじめとしたJERA所有のLNG火力発電所構内において、さくらインターネットによるデータセンター整備の実現可能性に関し、1)JERAの発電所構内を、さくらインターネットがデータセンター用地として利用するにあたっての諸条件、2)さくらインターネットが開発するデータセンター設備の省エネルギー化に向けた、JERAのLNGを活用した冷熱供給、3)さくらインターネットが開発するデータセンター設備への電力供給、各種技術による供給電力の将来的な脱炭素化――といった点について検討する。