週刊データセンターWatch:

【データセンター用語集】ピークシフトとは

 1日24時間のうち、社会的に電力消費が集中する時間帯に電気の利用を避け、夜間・早朝などに電気利用をシフトさせること。国・地域ごとに発電能力には限界があるため、限られた発電設備で効率的・安定的な電力供給を実現するとの文脈から、企業や一般世帯が実施する。なお、電力消費が集中する時間帯の電力消費を単純に削減することは「ピークカット」と呼ばれる。

 データセンターは24時間365日体制で稼働しているため、消費電力量をいかに低減させるかは事業収益に関わる最重要案件である。よって施設建設の段階から空調性能を高める配慮をしたり、省エネ性能に優れた電気設備が積極的に用いられる。また近年は地球温暖化の防止、カーボンニュートラルの観点から、電力の節減に加えて、再生可能エネルギーの利用などが推進されている。

 こうしてデータデンターでは、時間帯不問・通年での節電が試みられているが、さらに蓄電池の併用によってピークシフトないしピークカットを行おうという動きが一部にある。株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)が2020年8月に実施した実証実験では、夜間帯に電気を購入して蓄電し、日中の空調のために放電することで、ピークカット効果が確認されただけでなく、電気料金の削減にもつながった。