週刊データセンターWatch:

【データセンター用語集】リアドア空調とは

 データセンターのサーバー設置室内における空調方式の一種。サーバーを備え付けるラックの後ろ側(背面側)に、扉状の熱交換器を取り付け、サーバーから発せられる排熱を冷却する。これにより、サーバー設置室内の温度上昇を抑える。英語では「Rear Door Heat Exchanger」と表記され、頭文字をとった「RDHX」との略称も用いられる。

 一般的にデータセンターでは、まずサーバーから排出される温風・熱風がサーバー設置室内に充満し、この室内の温度を下げるべく空調機器が動作する。

 これに対してリアドア空調は、サーバーからの排熱をラック側の機器でいったん冷却し、その上で室内へと送り出す。これにより、サーバー設置室内の温度上昇をそもそも抑えることができる。

 通常、リアドア空調に用いられる熱交換は、冷却液による「水冷」方式である。よってリアドア空調機器は単体動作するものではなく、施設内の設備との間で冷却液を循環させる設備もまた必要となる。

 なおリアドア空調はパッシプ型とアクティブ型の2種が存在する。パッシプ型は、サーバーから発せられる熱を空調機でそのまま受け、冷却する。対するアクティブ型は空調機にファンを組み合わせ、より能動的に排熱処理を行う。ファンの消費電流、騒音、冷やし過ぎによる結露など、方式によって一長一短があるとされる。