週刊データセンターWatch:

【データセンター用語集】責任分界(点)とは

 サーバーをはじめとした各種インフラ管理において複数の利害関係者がいる場合、設備や経路のどの部分について誰が運用上の責任を持つのか、その境界を示す概念のこと。機器障害などが発生した場合の対応主導者、費用負担者を確定させるために用いられる。

 責任分界の考え方は、電気工事や電話回線工事などの分野で広く浸透している。電気工事の場合、街中に立つ電柱や各家屋へ電線を引き込むための装置については電力会社が責任をもって工事・運用にあたる。よって自然災害などで電柱が破損した場合、電力会社が復旧を行う。しかし、家屋の軒先などに設置された“引込線取付点”より先は、あくまで家屋側の財産であり、電力会社の責任分界を超えることから、基本的に電力会社は関与しない。

 ITシステムにおけるアプリケーション利用・ネットワーク運用などでも責任分担の考え方は導入されている。トラブルが発生した場合、アプリに潜在する脆弱性に起因したものであれば開発者が、アプリは正常だが設定の不備によるものであれば利用者というように、具体的なルールは利用規約で定められることが多い。