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Sansan、渡した名刺の価値の最大化を図る「デジタル名刺ソリューション」
名刺交換した相手のメールアドレスに、デジタル名刺を自動で配信
2025年5月27日 06:15
Sansan株式会社は、名刺サービス「Sansan」の新たなサービス「デジタル名刺ソリューション」を5月26日から提供する。新サービスによって、Sansanを利用しているユーザーが紙の名刺を交換すると、相手にデジタル名刺が届く仕組みとなる。
Sansanの代表取締役社長/CEO/CPO、寺田親弘氏は、「当社が行った調査では、渡した名刺、受け取った名刺の約半数はほぼ紙のまま活用されることがない。新サービスでは、受け取った名刺をSansan上に登録すると、名刺を渡した相手に対し、メールにて自動でデジタル名刺が送られる。メールボックス内に名刺があることで、検索すれば即連絡が取れるようになる。ビジネスの場で交換された貴重な名刺データを生かす方法になるのではないか、と考えている」と、新サービスを開始する狙いを説明した。なお、新サービスを紹介するテレビCMも5月28日から放映開始予定とのことだ。
今回提供を開始したデジタル名刺ソリューションは、紙の名刺が死蔵され、活用されないことが多いという課題を受け、名刺をデジタル化してビジネスにつなげられるようにするソリューションである。
中核となる機能は、「デジタル名刺メール」「デジタル名刺メーカー」の2つだ。
このうちデジタル名刺メールは、名刺交換したメールをSansanユーザーがスキャナーでサービスに取り込むと、名刺交換をした相手に対してメールでデジタル名刺を届ける仕組みである。
執行役員 Sansan事業部 事業部長の小川泰正氏は、「デジタル名刺メールでは、ユーザーが紙の名刺をスキャンしてデータ化した翌日に、名刺交換した相手のメールアドレスに対してデジタル名刺が自動で配信される。Sansanが創業以来培ってきた、素早く正確に名刺をデータ化する技術があるからこそ、データ化の翌日には相手のメールボックスにデジタル名刺を届けられるようになる。Sansanユーザーは、これまでの業務フローを変えることなく、受け取った紙名刺をスキャンするだけで、手間もかからず、忘れることもなく、デジタル名刺を確実に相手に渡すことができる」と、サービスを説明した。
また、「デジタル名刺メールは、あくまでも名刺として、氏名、連絡先など必要最低限の情報のみを記載している。メールマガジンのように情報量が多くなく、デジタル名刺だからこそ、相手に削除されたりアーカイブされたりすることなく、手元に残してもらうことができる」とも話している。
一方のデジタル名刺メーカーは、社員一人ひとりに対し、常に最新のデジタル名刺を作成・支給できる機能。自社の名刺デザインテンプレートをSansanに登録し、氏名・肩書・連絡先といった情報を入力するだけで、名刺データが作成される。
作成した名刺データはデジタル名刺として活用できるほか、紙の名刺として印刷発注することも可能。情報の登録や更新は管理画面で手入力できるほか、CSVによる一括登録にも対応し、組織変更や役職変更といった情報の更新も容易に行える。すべての名刺情報をSansan上で一元管理できるようになるため、管理・発注の手間が増えることなく、紙とデジタル名刺の双方を活用できるようになるという。
「名刺の作成と発注プロセスをデジタル名刺メーカーに切り替えるだけで、社員一人ひとりに、常に最新のデジタル名刺を作成し支給できる。デジタル名刺メーカーでは、専用のフォーマットに氏名、肩書、連絡先など社員の名刺情報を登録するだけで、デジタル名刺が作成できる仕様だ。作成したデジタル名刺は、SansanのスマートフォンアプリでQRコードを表示し、名刺交換の場で相手に読み取ってもらうことにより、直接デジタル名刺を渡せる。相手がSansanユーザーやEightユーザーでない場合でも、相手のスマートフォンの電話帳に直接登録してもらうこともできる」(小川事業部長)。
今回の新サービスの背景について、寺田社長は、「(創業から)19年目に入る当社において、パラダイムシフトといえるソリューションと思っている。ビジネスの商習慣として、出会いの場には名刺交換がある。コロナ禍も経験し、デジタル名刺の展開もしているが、人と人が実際に会って名刺交換をする習慣は引き続き根強いものがあり、人と人が物理的に会うことの価値は、相対的に上がっているという感覚さえある」と、名刺交換の価値をあらためて考えたと話した。
その上で、「これまでわれわれSansanのサービスは、名刺管理という機能によって、相手から受け取った名刺をスキャンし、データ化し、クラウド上で管理・共有し、それをビジネス機会につなげていくという発想で事業を展開してきた。しかし、渡した名刺がどうなっているかというと、これはもう相手先次第。実際、SansanやEightなどさまざまな名刺管理のツールを展開しているが、正直、すべてのビジネスパートナーが使っているとは言い難く、実際は多くの人や企業が、名刺をデジタルで管理する術もなく、それぞれ個人の範囲で、紙で管理し、ほとんどそのまま引き出しにしまっていることが実態である。あるいは、捨てられてしまうケースもあるのかなと思っている。発表したデジタル名刺ソリューションは、紙の名刺を渡した後を追って、デジタル名刺を届けていくことができるソリューションになっている」とアピールした。