ニュース

PFUがAI-OCR「DynaEye 11」を強化、ドットプリンター印字の読み取りに対応

複雑な明細項目のデータ入力を効率化する「生成AI連携オプション」も提供

 株式会社PFUは20日、AI-OCRソフトウェア「DynaEye 11」を強化し、同日より提供開始すると発表した。ドットプリンター印字への対応や、後続システムとの連携をスムーズにする新機能の追加などが行われている。

 DynaEye 11は、データエントリーの効率化や窓口業務における本人確認などの用途で利用される、業務用のOCRソフトウェア製品群。

 今回はまず、AI-OCRを強化し、カスレや薄い印字など、低品質な活字も高精度に認識可能になったという。具体的には、ドットプリンターで印字された伝票やFAX注文書など、従来読み取りが難しかった、罫線と接触したり、特殊フォントを含んでいたりする帳票も、正確にデータ化を行えるようになった。

 これにより、流通業をはじめとする、伝票やFAX注文書を活用する業種でのデータ入力業務を約70%効率化できるとのこと。

 また、準定型帳票のOCRに対応する「エントリーアプリケーション」において、生成AI連携機能を追加するオプションを提供する。請求書や注文書などに含まれる複雑な明細項目を高精度に読み取れ、項目名が複数行にまたがるケースや、一行に複数の情報が混在しているケースでも、明細項目として整理された形式で出力できるとした。

 なお、同オプションの利用にはインターネット接続が必要となるが、入力データがAIの学習に利用されることはないとしている。

 このほか、出力ファイルのカスタマイズを可能にする「出力データ変換」機能も新たに搭載した。認識結果の任意の値への置換や、出力ファイル名のカスタマイズ、案件ごとに整理されたファイル出力など、後続システムに最適化された出力形式への自動変換が可能になるため、業務フローのいっそうの効率化が期待できるとのこと。

 DynaEye 11の価格(税別)は、「DynaEye 11 Entry AI-OCR」の初年度が201万6000円、次年度以降が年額33万6000円。処理量が年間6000ページに制限される「DynaEye 11 Entry Lite AI-OCR」は、初年度が100万8000円、次年度以降が年額16万8000円。

 また生成AI連携オプションは、年間6000ページまでのライセンスが年額8万4000円、年間1万5000ページまでのライセンスが年額21万円となっている。