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富士通、顧客のDX加速に向けAWSとのグローバルな戦略的協業契約を拡大

 富士通株式会社は2日、Amazon Web Services(AWS)と3年間のグローバルな戦略的協業契約(SCA)を11月29日に締結したと発表した。

 富士通では、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成目標年である2030年が迫る中、持続可能な世界の実現に向け、顧客のビジネス成長と社会課題の解決を目指す「Fujitsu Uvance」を推進している。Fujitsu Uvanceでは、富士通が長年培ってきたテクノロジーとさまざまな業種ノウハウを融合し、業種間で分断されたプロセスやデータをつなぐことで、これまでにない解決策や知見を導き出すことを目指している。

 この実現のためには、レガシーシステムからの脱却と、パートナーとの連携によるクラウドの戦略的な活用が不可欠だとして、より多くの顧客のDX加速とビジネス変革を支援するために、富士通とAWSの協業を全業種向けに拡大するとしている。

 協業では、AWSのクラウドサービスへの移行支援を強化。2024年3月に発表した、レガシーモダナイゼーションの協業で戦略的ターゲットとした、メインフレームやUNIXサーバー上で稼働する基幹システムに加え、さまざまなシステムのAWSのクラウドサービスへの移行支援を両社で強化する。

 柔軟かつ高品質なインフラの構築を実現する「Fujitsu Cloud Transformation Service」、クラウド運用最適化を支援する「Fujitsu Cloud Managed Service」と、AWSのソリューションアーキテクトによる富士通向け技術支援体制により、クラウドに最適化されたシステムインテグレーションと運用支援サービスをワンストップで提供する。

 Fujitsu UvanceオファリングとAWSの連携による付加価値向上では、豊かで持続可能な社会を実現する「Trusted Society」や、顧客のデータドリブン戦略を支援する「Digital Shifts」を中心に、AWSのクラウドサービスと連携したFujitsu Uvanceのオファリング開発および付加価値の向上、グローバルでの提供拡大を目指す。

 その取り組みの一つとして、Digital Shiftsのオファリングと富士通のAIサービス「Fujitsu Kozuchi」、およびAWSの生成AIサービス「Amazon Bedrock」の連携を開始している。例えば、データとAIを活用するオペレーションプラットフォーム「Fujitsu Data Intelligence Premium」により、工場の生産ラインデータを分析し、AIを活用したリスクの予兆検知や過去事例を元に対応策の提案を行ったり、設備保全業務のノウハウを伝承するために過去の点検レポートを再利用可能な構造化データに変換したりするなど、長年培ってきた業務知識と生成AIなどの最新技術を融合し、顧客の生産プロセスの効率化や稼働率向上を支援する。

 AWS認定資格の保有者育成による、AWSのクラウドサービスを活用したデリバリー体制の強化では、AWSのクラウドサービスを活用したシステム開発を担当する富士通のエンジニアを対象に、現状国内最多となる約7000件のAWS認定資格保有数を、AWSによる戦略的なトレーニング支援により3年間で1万2000件規模へさらに拡大する。

 また、AWSのクラウドサービスにおけるシステム開発のプロフェッショナルを増強することにより、顧客のDXを実現するシステムのデリバリーを加速する。これらの取り組みにより、両社の共同提案強化による受注を含め、過去3年間の実績から倍増となる800件以上の受注を目指す。