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NEC、管理機能やデータ処理性能の強化を図ったクラウド/仮想化向けストレージ「iStorage V310/V110」

 日本電気株式会社(NEC)は17日、クラウド/仮想化向けストレージ「iStorage Vシリーズ」において、高機能化・高性能化に加えて運用管理の効率化を図った新モデル「iStorage V310」「同 V110」を販売開始すると発表した。管理サーバーレス運用への対応やPCIe Gen4対応インターフェイスの搭載などが行われている。

 iStorage V310/V110は、VDI環境や高負荷ワークロード環境での利用を想定した、オールフラッシュストレージ。従来モデル「iStorage V300/V100」の後継製品として提供される。

iStorage V310/V110

 今回の新モデルでは、ストレージ本体側に管理機能「HA Storage Manager Embedded(HSME)」が搭載され、ストレージごとに管理サーバーを設置しない“サーバーレス運用”に対応した。また、「HSME」の管理画面では応答速度が向上しており、高速なレスポンスとよりシンプルな操作を可能にしているほか、従来は管理対象や設定レベルに応じて使い分けていた2種類の管理画面が統合されたため、導入時や運用管理上の利便性が向上しているという。

新管理画面イメージ

 なお、必要な場合はサーバー管理ソフトウェア「ESMPRO/Server Manager」を別途導入し、iStorageを含むシステム上の監視対象機器をまとめて設定したり、機器の状態を確認したりできるとのこと。

 一方、本体とNVMe SSDとの接続インターフェイスに高速なPCIe Gen4を採用し、以前と比べて理論上約2倍の帯域を確保して、データ転送性能の強化を図った。さらにスナップショットでは、新たにRoW(Redirect on Write)方式を採用し、差分データを圧縮・重複排除した後で保持することにより、従来と比べてデータ更新時のストレージ負荷を軽減できるようにした。

 さらに、新たなRAID方式として「Advanced Dynamic Provisioning」を追加。RAID構築時には、基本構成に対して1ドライブ単位で容量を追加可能になり、初期導入時の投資コスト適正化に寄与するとのこと。またRAID構成において、スペアドライブを利用してドライブ全体にスペア領域を分散配置できる「分散スペア機能」にも対応しているため、I/O負荷をドライブ全体に分散するとともに、故障修復時にもリビルドの負荷が分散され、修復時間を短縮できるとしている。

 なおオプションでは、従来モデルと同様、Amazon Web Services(AWS)クラウドへのバックアップ、およびクラウドバックアップ導入支援サービスを利用可能なほか、ストレージへの投資を月額課金で行える「iStorage従量課金ストレージサービス」も提供されるので、コスト平準化と資産管理の簡易化にも貢献するとのことだ。

 最小構成時の価格(税別)は、iStorage V310が1509万2000円から、同 V110が857万2000円から。いずれも5月31日の出荷開始を予定している。