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Salesforce、CRM向け対話型AIアシスタント「Einstein Copilot」の正式ベータ版を提供開始

 米Salesforceは現地時間27日、カスタマイズ可能で対話型の新しいCRM向け生成AIアシスタント「Einstein Copilot」の正式ベータ版を提供開始すると発表した。

 Einstein Copilotは、質問への回答やコンテンツの要約、新しいコンテンツの作成、複雑な会話の解釈、ユーザーに代わりタスクを動的に自動化できる。

 Salesforceでは、有用な回答を生成するための適切な企業データが不足している他のAIアシスタントやCopilotとは異なり、Einstein Copilotは、Data Cloudから信頼できるビジネスデータを使用して回答をグラウンディングして、最高品質のアウトプットに必要な文脈を提供すると説明。これにより、Einstein Copilotは信頼できる企業データに基づき、より正確でカスタマイズされた回答を生成できるとしている。

 Einstein Copilotには、あらかじめプログラムされた機能、自動応答、またはEinstein Copilotが実行するビジネスタスクなど、すぐに使えるアクションのライブラリが用意されており、プロンプトが表示された際にAIがユーザーに代わって実行。アクションを組み合わせることで、動的なマルチステップの計画を実行できる。

 例えば、カスタマーサービスのエージェントがEinstein Copilotにケースのクローズを依頼し、同時に商談作成、もしくは追加の販売を依頼すると、Einstein Copilotはユーザーの意図を理解し、サービス体験の流れの中でそのようなタスクを実行できる。

 特定のセールス、サービス、マーケティング、コマース、ITのタスクを達成するようにEinstein Copilotをカスタマイズでき、企業や業界のポリシーを適用できる。Copilot Builderは、Einstein Copilotのカスタムアクションを作成でき、プロンプトビルダーは業務フローの中でカスタムプロンプトをアクティベートし、モデルビルダーは独自のAIモデルを使用してEinstein Copilotのカスタム機能を強化する。

 Einstein Copilotの推論エンジン(情報に基づいた意思決定、問題解決、またはインサイト生成のために情報を解釈および処理するプロセス)は、ユーザーのプロンプトの完全な文脈を分析し、実行するアクションまたは一連のアクションを決定し、出力を生成することで、LLMと相互にやり取りする。

 例えば、営業担当者が Einstein Copilotに「顧客に新しい製品を推奨するのを手伝ってください」と依頼すると、Einstein Copilotは顧客が現在使用している製品を判断し、アップグレードのオプションを理解して、顧客を新しい価値の高いマーケティングセグメントへ移動する。Einstein Copilotは、MuleSoftとSalesforceフローを使用して、複数のシステムにわたって情報を更新できる。

 信頼できる回答とアクションの生成が可能で、Einstein Copilotは、Einstein Trust Layerが提供するプライバシーおよびセキュリティ対策により、信頼できるAIのやりとりを提供する。Einstein Trust Layerは、Einstein 1 Platformの一部で、個人情報(PII)のマスキング、有害性に対するアウトプットのスコアリング、SalesforceのLLMパートナーとのゼロデータリテンションを通じて、不正アクセスやデータ侵害からの情報保護などの機能を実行する。

 Einstein Copilotは、Einstein 1 Editionsを購入するか、Enterprise EditionsまたはUnlimited Editionsに追加することで利用可能。Einstein Copilotは、Sales CloudとService Cloud向けにグローバルでベータ版が提供されており、Commerce CloudとMarketing Cloudは2024年後半に提供される。

 Einstein Copilotは現在、米国でのデータレジデンシー、英語環境でサポートされている。日本国内での提供開始時期は未定。

 Einstein Copilot for Tableauは2024年後半に提供予定です。現在、Tableauは、Tableau Pulse(日本語版の提供開始時期は未定)とTableau Copilot(現在ベータ版)で生成AI機能をサポートしている。