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Salesforce、小売業向けにショッピング体験を変革するデータとAIの新機能を発表

 米Salesforce(以下、セールスフォース)は現地時間14日、すべてのショッピング体験を変革する新たなデータとAIを活用したツールを発表した。Commerce CloudやMarketing Cloudに生成AIが組み込まれたことにより、小売業者やマーケターは顧客の行動や嗜好をリアルタイムに把握しながら生成ツールを活用して顧客とのあらゆるやり取りを最適化し、ロイヤルティの向上や収益の拡大、従業員の生産性の向上につなげられる。

 これらの新しい小売りテクノロジーは、Einstein 1 Platformを活用している。Einstein 1 Platformは、リアルタイムのコンテキスト、ブランドボイスの一貫性、データガバナンス、セキュリティを確保するために大規模言語モデル (LLM) と安全に統合されており、小売りデータや買い物客データとシームレスに連携する。これにより、統合されたデータやAIを活用したアプリにより、まったく新しい買い物体験、小売業者体験、マーケター体験を実現するとしている。

 買い物客のための新たなツールとしては、Einstein Copilotの新たな拡張機能であるEinstein Copilot for Shoppersを提供する。Einstein Copilot for Shoppersは、買い物客とのパーソナライズされた対話を実現する消費者対応用の生成AIアシスタントで、買い物客は、デジタルストアフロントやメッセージアプリなど、小売業者のチャネル上で自然言語でのやり取りにより、迅速に商品を見つけて購入できる。

 例えば、米国太平洋岸北西部の買い物客が、キャンプ旅行のための道具が必要であるとEinstein Copilot for Shoppersに伝えると、Einstein Copilot for Shoppersは、既存の顧客データ(買い物客の位置、嗜好、購入履歴など)に基づいて、買い物客の好みのカラーの防水防風テントをおすすめし、即座に決済するためのリンクを提示する。

 Einstein Copilot for Shoppersはパイロット実施中で、2024年夏に一般提供の開始を予定する。日本市場での提供時期は未定。

 小売業者のための新たなツールのうち、Page Designerは、生成AIによる自然言語プロンプトを使用し、迅速にECサイトやページをデザイン、作成、カスタマイズする。例えば、小売業者はPage Designerにいくつかのプロンプトをインプットするだけで、既存ストアフロントでのブランディングを反映した新しいWebページを生成し、新たなランニングシューズシリーズのキャンペーンのランディングページを容易に作成できる。Page Designerはパイロット実施中で、日本市場での提供時期は未定。

 Order ManagementのReturn Insightsは、データを分析して返品のパターンを調べ、AIを活用して、小売業者に今後の返品を最小限に抑えるための商品ディスプレイの変更を促す。また、センチメント分析によって商品レビューのコメントや返品理由コードを評価し、商品ごとの問題に迅速に対処するためのアクションを提案する。Order ManagementのReturn Insightsは現在、一般提供されている。本市場での提供時期は未定。

 Customer and Product Insightsは、Commerce Cloud、Marketing Cloud、Data Cloudのデータを利用し、小売業者がトレンド(一緒に購入されることの多い商品の組み合わせ、強い関心を示している買い物客の人口統計データなど)をより適切に可視化し、狙いを定めた新しいコマース体験を構築できるよう支援する。

 Inventory Insightsは、デジタル小売業者が在庫状況を明確に把握し、可能な限りいつでも商品を販売できるようにする。小売業者は、在庫に関するデータやインサイトにほぼリアルタイムにアクセスして、商品の予約や取り置きの管理、新たな商品需要の予測や、カスタマーサービス担当者に顧客のカートに追加できる商品を提案できる。

 Customer and Product Insights DashboardとInventory Insightsはパイロット実施中で、2024年夏に一般提供が開始される予定。日本市場での提供時期は未定。

 小売りマーケターのための新たなツールのうち、Global Promotion Managementは、小売業者が顧客マーケティングデータ、プロモーションデータ、予測インサイトを統合して、プロモーションの収益見込みを立てられるよう支援する。これにより、小売業者はロイヤルティメンバーと非ロイヤルティカスタマーの両方に対する、価格設定とリワード戦略を容易に調整できる。あらかじめ定義されたプロモーションテンプレートによるセットアップガイドを使用することで、マーケターは割引やロイヤルティリワード付きのオムニチャネルプロモーションを迅速に設定、立ち上げ、展開し、より顧客とのエンゲージメントを高められる。Global Promotion Managementはパイロット実施中で、2024年春に一般提供が開始される予定。

 Referral Marketingは、ブランドが紹介プログラムを立ち上げ、あらかじめ用意されたテンプレートや「Likely to Refer」AIツール(紹介プログラムに参加する可能性の高い顧客を特定する組み込みツール)により、コンバージョンを向上させるために役立てる。ブランドはトレンドを確認してプロモーションを微調整し、インタラクティブなメールキャンペーン、ランディングページ、A/Bテスト、送信時間のパーソナライゼーションのすべてにおいて、一貫性のある体験を生み出せるようになる。Referral Marketingは現在、一般提供されている。

 Segment Creationは、小売業者が生成AIプロンプトと信頼性の高いData Cloudのデータを使用して、ターゲティングやパーソナライゼーションを改善できるよう支援する。小売業者は即座に新しいセグメントを作成して、マーケティング、コマース、サービスなどのタッチポイントにおいて、買い物客体験の全体でパーソナライズされたカスタマージャーニーやオファー、レコメンデーションを提供できる。Segment Creationはパイロット実施中で、2024年春に一般提供開始予定。日本市場での提供時期は未定。

 Content Creationは、マーケターがキャンペーンやパーソナライゼーション戦略におけるコンテンツ制作の課題を解決するために役立つ。Einstein Trust Layer内のファーストパーティデータに基づいた、生成AIを活用した自然言語プロンプトを使用することにより、マーケターはブランドに適しているパーソナライズされたビジュアルコンテンツ、メールの件名、本文を大規模に作成し、顧客満足度とコンバージョンを改善できる。Content Creationは現在、一般提供されている。日本市場での提供時期は未定。