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ベリタス、最新の生成AI関連の調査結果を発表、職場での生成AIツールの利用率は日本が調査国中最下位

 ベリタステクノロジーズ合同会社(以下、ベリタス)は22日、最新のグローバル調査の結果を発表した。この調査は、世界11カ国、1万1500人(日本は1000人)の会社員を対象に実施したもので、職場における生成AIツールの利用に関しての実態が明らかになったとしている。

 ベリタスでは、グローバル調査の結果から、職場における生成AIツールをめぐる混乱は、従業員間の溝を生むと同時に、機密情報の漏えいリスクを高めていることが判明したと説明。従業員の70%以上が、顧客情報、従業員情報、会社の財務情報を入力するような行動を含め、ChatGPTなどの生成AI ツールを職場で使用していることを認めているという。

 一方で、4分の1近く(23%)は、これらのツールを使用していないだけでなく、同僚が仕事を支援するために使用することは間違っており、給与を減額するべきだとさえ考えているという。生成AIツールの使用に対する考え方に関わらず、90%がその使用に関するガイドラインやポリシーが重要であると回答しているのに対して、従業員に強制的な使用方法を提示している企業は36%のみだった。

 日本では、職場における生成AIツールの利用は38%で、11カ国中最下位となった。グローバル平均で一番多く生成AIを使用しているのは、分析のための調査・情報収集の実施(42%)という結果に対して、日本は23%という回答で一番少ない結果で、日本ではライティングの向上(46%)とメール/メッセージ/メモの作成(41%)といった使い方が主流だった。

 日本特有の結果としては、生成AIツールを職場で使用することは、個人としてメリットはないと思っているのは、28%で日本が1位(グローバル平均は14%)で、今後3年以内に組織内の役割がAIに置き換わると思っていないのも、78%で日本が1位(グローバル平均は58%)だった。

 また、自分と同じ役割を果たしている同僚の1人が生成AIを使用していていることが分かったら、それが不公平だと思わないのは、68%で日本が1位(グローバル平均は47%)となった。生成AIツールを職場で使用することで、ビジネスにどのようなメリットがあるかという問いに、全くメリットはないという回答したのも、21%で日本が1位(グローバル平均は11%)となった。

 生成AIツールの利用率が低い日本でも、従業員は生成AIのガイドラインとポリシーの整備を望んでおり、従業員の4分の3以上(77%、日本は70%)が、組織内での生成AIの使用に関するガイドライン、ポリシー、または雇用主からのトレーニングを望んでいる。理由としては、従業員が適切な方法でツールを使用する方法を知るため(68%、日本は71%)、リスクを軽減するため(43%、日本は49%)、職場で平等な競争条件を作り出すため(25%、日本は17%)などが多く挙がった。

 ベリタスのソリューション・リードであるソーニャ・ダフィン(Sonya Duffin)氏は、「生成AIの活用方法に関してリーダーや会社からのガイダンスがないため、一部の従業員は企業を危険にさらすような方法でAIを使用しています。企業は規制順守違反に直面したり、従業員全体の効率を高める機会を逃したりする可能性があります。効果的な生成AIのガイドラインとポリシーがあれば解決できるでしょう」と述べている。