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東芝エネルギーシステムズ、電力事業者や製造業向けに「TOSHIBA SPINEX for Energy」のSaaS版を提供

 東芝エネルギーシステムズ株式会社は1日、電力事業者や製造業向けデジタルサービス「TOSHIBA SPINEX for Energy」のSaaS版を提供開始した。

 東芝エネルギーシステムズは、電力事業者や製造業における、省エネの推進や業務効率化に対するニーズの高まりを受け、2019年にTOSHIBA SPINEX for Energyの提供を開始した。顧客ごとに専用のアプリケーションをクラウドやオンプレミス上で開発し、東芝エネルギーシステムズがエネルギー業界で培ってきた知見を生かし、主に大手電力事業者の発電所や変電所における機器の状態監視・故障予知・運用保守の最適化などの支援を提供してきた。

 一方、近年は、比較的規模の小さい電力事業者やエネルギー関連機器を持つ一般工場などにおいても、こうした機器の運用保守の最適化に向けた動きが広がってきていることから、幅広い領域でサービスを活用できるよう、新サービスとしてSaaS版のTOSHIBA SPINEX for Energyを提供するとしている。

 SaaS版のTOSHIBA SPINEX for Energyは、エネルギー関連の事業者が幅広く活用できる「標準サービス」と、「ソフトウェア部品」をソフトウェアサービスとして提供するもので、サービス提供にあたり、クラウド環境をリニューアルし、機能・性能・セキュリティ面における、事業者の実際の活用状況を想定した事前検証を実施している。また、導入支援や、運用中のソフトウェアの動作状況を継続的に監視する体制を構築している。

 標準サービスでは、「点検画像AI分析サービス」や「CO2見える化シミュレーションツール」など、8個の「標準サービス」を提供する。ソフトウェア部品では、気象予測・異常予兆検知などの予測・診断関係のサービスをはじめ、機器の診断巡視点検支援や保守・保全の作業支援、アセット管理などに関するサービスを用意する。

 標準サービスとソフトウェア部品を活用し、東芝エネルギーシステムズの担当者が、顧客の課題解決に向けたPoCや対象機器のデータ分析などを行い、顧客と課題解決に向けた方法を共創することで、顧客がその業務や環境に合わせて最適な構成を検討できるとしている。なお、従来、TOSHIBA SPINEX for Energyを提供していた顧客に対しては、引き続き従来のサービス提供を行う。

 新サービス提供に先立ち、東芝エネルギーシステムズは2023年以降、自社工場の課題解決や新たな適用先の検討をテーマに、エンジニアやデザイナーがチームを組んで集中的にサービス考案および開発を行うハッカソンを実施し、体制・プロセスの観点で顧客との共創のあり方を検討してきたと説明。また、今後は顧客も交えたハッカソンの開催を計画しており、TOSHIBA SPINEX for Energyの活用や試行の機会を増やしていくとしている。

 東芝エネルギーシステムズでは、新サービスの提供、顧客との共創を通じ、発電所や変電所、工場などでのエネルギー関連機器の稼働率向上や運用保守業務の最適化などの、顧客の課題解決に貢献していくとしている。

サービス提供のイメージ
新サービスのラインアップ