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東芝エネルギーシステムズ、複数の発電所を一元管理できる発電事業者向け「PV統合管理サービス」を提供

 東芝エネルギーシステムズ株式会社は5日、太陽光発電事業者向けの新サービスとして、太陽光発電所の運用保守(O&M)業務を支援するPV統合管理サービスを開発し、クラウド型のサービスとして提供を開始した。

 新サービスは、東芝エネルギーシステムズのクラウド上でシステムを構築するため、太陽光発電所の監視システムからデータを収集することにより、複数の太陽光発電所の一元管理が可能で、他社製の監視システムを導入している場合でもデータの取得が可能。保守員が複数の発電所の稼働状況をリアルタイムで確認できるダッシュボード画面や、過去の類似障害の対応履歴を参照して迅速な現場対応に寄与するインシデント対応機能などを備える。また、発電事業者にとって重要な課題となる、発電損失の最小化についても、東芝エネルギーシステムズの独自技術を用いて、発電所の発電性能や発電量、稼働率を1日に1回、定期的にモニタリングする発電所診断機能も実装している。

複数発電所の統合管理イメージ

 ダッシュボード画面では、対象の太陽光発電所の発電量・気象情報・日射強度・障害発生状況・現場作業状況・出力制御状況が1つの画面上で確認でき、監視カメラ映像への連携にも対応する。

 インシデント対応機能では、インシデント管理画面の表示が可能。管理画面では障害発生時の対応の進捗状況を表示し、保守員の間で共有できる。また、過去の類似障害の報告書や対応履歴を参照することで、迅速な現場対応に寄与する。

 発電所診断機能では、システム出力計数(PR値)を用いた独自開発のソフトウェアエンジンを使うことで、1日に1回、定期的に発電性能評価を行う。これにより、太陽光パネルへの積雪、雑草の影による発電量の低下など、機器の故障監視のみでは気づくことができなかった異常に気づくことができ、発電損失を最小化できる。

 運用機能では、年次・月次の運用レポートの自動作成が可能。保守機能では、障害発生時から修繕・復旧までの対応状況を管理し、進捗や緊急度を発電事業者とO&M業者が共有できる。また、年次・月次点検などの作業スケジュールを一元管理し、複数の発電所が保守の対象の場合でも、きめ細かい保守業務ができるよう支援する。さらに、過去に発生した不具合内容をデータベース管理し、機器ごとや時系列の故障率を要因分析し、予防保全計画を策定できる。

 設備管理機能では、太陽光発電所の設備情報をデータベース化し、スペアパーツの在庫情報や交換履歴などを管理し、交換回数や故障頻度を把握できる。また、仕様書や報告書の図書管理にも対応する。

ダッシュボード画面の例