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パナソニックのAIチャットボット「WisTalk」、登録ドキュメントを生成AIが要約して自動回答する機能を追加

 パナソニック ソリューションテクノロジー株式会社(以下、パナソニック)は13日、社内問い合わせ・ヘルプデスク向けAIチャットボット「WisTalk(ウィズトーク)」のバージョンアップを2024年1月に行うと発表した。

 WisTalkは、社内ポータルサイトやWebサイトに導入したチャット画面上のAIと会話することでAIが質問を理解し、最適な回答を即時に自動回答するサービス。

 バージョンアップでは、社内規定文書や製品マニュアルなどの社内ドキュメントを登録すれば、生成AIが問い合わせ内容に応じて、自動でドキュメントの内容を要約して回答を行う「生成AI自動回答機能」を追加する。これにより、ドキュメントを登録するだけで問い合わせ対応の自動化が可能となり、チャットボット導入の課題となっていたQ&Aの準備工数や、メンテナンスの工数を削減する。

「生成AI自動回答機能」の概要

 パナソニックでは、社内DXや働き方改革推進のため、AIチャットボットやFAQサービスの導入を検討する企業が増えているが、これらの導入準備として、想定されるQ(質問)とそれに対応するA(回答)を1件ずつ作成する必要があり、手間がかかるとして導入検討のハードルとなっていたと説明。また、AIチャットボットの導入効果を最大化するためには、導入後もQ&Aの内容が都度最新の情報になるように、メンテナンスが必要不可欠となるが、この導入後のメンテナンスに関しても、工数がかかるとして導入検討時に問題となっていたという。

 こうした課題を解決するため、WisTalkに、登録した複数ドキュメントの内容を生成AIで要約回答できる、生成AI自動回答機能を追加する。

 生成AI自動回答機能は、問い合わせ内容に応じて、事前に登録された複数のドキュメント(社内規定文書、製品マニュアル、仕様書など)の内容を、生成AIで要約して回答する。例えば、「通勤手当の支払い基準を教えてください」という問い合わせが入力されると、「通勤手当」以外にも「交通費精算」や「定期購入」など関連するワードで登録ドキュメントを検索し、生成AIが該当する箇所を要約して回答できる。

 これにより、ドキュメントを登録するだけで問い合わせに自動回答するため、Q&Aの準備の工数を大幅に削減できる。また、登録したドキュメントを最新版に差し替えるだけで、1件1件Q&Aの内容を更新せずに内容の最新化ができるため、メンテナンスの工数も削減できる。

 生成AI自動回答機能により、ドキュメントに記載されている内容の問い合わせは、WisTalkで自動対応が可能となる。例えば、社内の営業やSEから開発部門に寄せられる製品仕様に関する問い合わせや、社員からの就業規則に関する問い合わせについては、WisTalkが登録ドキュメント内から対象の製品マニュアルを基に自動で回答する。

 問い合わせ対応者は、大量の既存文書から対象ドキュメントを探し出し回答を作成するという手間が省け、問い合わせ対応業務の工数大幅削減を実現する。問い合わせする社員も、ドキュメントに記載されている内容をWisTalkが即時に要約して回答するので、問い合わせ対応者のスキルやスケジュールに依存することなく、回答待ち時間の大幅削減も可能になる。