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NTTデータグループ、北米およびEMEAL地域で「IOWN Global Promotion Office」を設立

グローバルで2025年度末までに600名のIOWN技術者育成を目指す

 株式会社NTTデータグループは12日、10月より、北米およびEMEAL(欧州・中東・アフリカ・中南米)地域において、「IOWN Global Promotion Office」を設立し、IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)を活用したビジネス事例の創出を目指すと発表した。2025年度末までにグローバルで600名のIOWN技術有識者を育成し、IOWNの社会実装を通じたスマートな社会の実現を図るとしている。

 NTTグループでは、NTTが発明した「光電融合技術」を用いることで、電子ではなく光で情報の伝送・交換処理を行い、「低遅延」「低消費電力」「大容量・高品質」といった革新的なネットワーク基盤・情報処理基盤を実現する試み「IOWN構想」を推進しており、2024年にIOWN仕様を確定し、2030年の実現に向けて研究開発を進めている。

 また、IOWN技術を国際標準化し、その活用事例を共有する国際的なフォーラム「IOWN Global Forum」をNTT、インテルコーポレーション、ソニー株式会社の3社で設立。現在は、さまざまな業界から130社を超える企業、組織・団体が参画しているという。

 今回は、こうしたIOWNを推進する新たな取り組みとして、北米およびEMEALに「IOWN Global Promotion Office」を開設し、各地域・各国拠点とともに、海外でのIOWNのビジネス創出を進めるとした。このIOWN Global Promotion Officeは、海外においてIOWNビジネス事例を創出する役割を担うとのことで、まずは、インフラが充実し市場規模が大きい北米とEMEALにて設立され、今後は他の地域にも順次拡大するとしている。

 具体的には、海外におけるイベントや顧客向けセミナーなどにより、IOWN構想や関連技術を紹介し、海外でのIOWNの認知度向上を図るほか、海外顧客へのIOWN構想の紹介を通じ、顧客やパートナーとともに、革新的技術がもたらす新たな社会の姿を描き、その実現に必要な追加技術や技術ニーズを確認するとのこと。

 さらに、顧客の課題解決にIOWN技術を適用する、あるいは海外で展開するNTTのソリューションや顧客のサービスにIOWN技術を適用することで、顧客への提供価値を向上するユースケースを創出し、ビジネス事例を積み重ねていく考えだ。

IOWN Global Promotion Officeの役割

 なお2023年度末には、NTT Ltd.の距離が離れた複数のデータセンターを、オールフォトニクスネットワーク(APN:All Photonics Network)で接続し、低遅延・大容量・高品質のデータ伝送を行うことで、複数拠点の施設で、あたかも単一拠点のデータセンターであるかのように情報処理を行えるかどうかの実証を予定している。

 また2025年度末を目標に、NTTデータグループは600名規模のIOWN技術有識者を育成し、IOWNの本格的な社会実装を目指すとした。