ニュース
電通総研、複数のID基盤を統合する認証・認可プラットフォーム「VeCrea」を本格提供開始
2026年3月6日 13:07
株式会社電通総研は5日、企業が保有する複数のID基盤(IdP:Identity Provider)を安全かつ効率的に統合する認証・認可サービスプラットフォーム「VeCrea」の本格提供を開始した。
VeCreaは、ユーザーが自身の情報を主体的に管理できるユーザー主権型のID管理環境を提供するプラットフォーム。デジタル証明書(VC:Verifiable Credentials)を用いた高度なID管理と、既存IdPを生かした軽量なID管理の双方に対応しており、企業は活用段階やニーズに応じて最適な方式を柔軟に選択できる。
ユーザー主権型のID管理環境により、ID統合プロジェクトで発生してきた大規模な名寄せ工程を大幅に削減し、移行リスクの最小化、導入スピードの向上、プライバシー保護、運用コストの最適化を同時に実現する。
電通総研では、生成AIの普及やデータ連携の高度化により、「誰が・どの情報を・どこまで利用できるのか」を適切に証明し、制御できるトラスト基盤の重要性が急速に高まっていると説明する。さらに企業内では、会員管理基盤やアプリ、業務システム、グループ会社を含む複数のIdPが並立し、ユーザー情報が分散する構造が発生している。その結果、IDの重複や名寄せ作業に伴う膨大な工数、システム統合プロジェクトの長期化・高コスト化に加え、情報が散在することによるセキュリティリスクの増大など、さまざまな課題が顕在化しているという。
こうした課題に対応するため、電通総研は2022年からVCを発行・管理・検証するソリューションの開発を進めてきた。2025年からは複数業界との共創型PoCを実施し、実運用に耐えうる機能性・信頼性を検証した。そこで得られた知見をもとに製品の完成度を高め、今回商用提供を開始した。
VeCreaは、VCを活用し、信頼できる情報を安全に発行・検証できる認可・認証プラットフォーム。必要最小限の情報開示と即時検証により、既存IdPを生かしながら、金融・製造・サービス・公共分野まで幅広いユースケースで安全な情報連携を実現する。
VeCreaは、ユーザーが自身のIDを基点に他サービスとのひも付けに同意する「ユーザー主導」の仕組みを採用することで、企業側の推測や判断に依存しないID統合を実現する。これにより、従来必須とされてきた名寄せ工程を大幅に削減し、導入期間の短縮、コスト抑制、プライバシー保護の強化を同時に支援する。
また、既存のIdPを置き換えることなく、その上位レイヤーでIDをつなぐ設計を採用している。このアーキテクチャにより、VCを用いた高度なID管理方式にも、既存IdPを活用する軽量な方式にも柔軟に対応可能で、企業は自社の状況や移行余力に応じて段階的に統合を進められる。
電通総研は今後、VeCreaを活用してAIエージェントに権限を委任する決済・予約機能の開発を計画している。また、VeCreaをSaaSとして提供することも視野に入れ、業界横断での相互運用を可能にする基盤へと製品の機能強化を推進するとしている。
