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さくらインターネット、東大松尾研開発の医療特化型LLMを研究者向けに「さくらのAI Engine」で無償提供

 さくらインターネット株式会社は5日、東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻/人工物工学研究センター 松尾・岩澤研究室(以下、松尾研)が中心となって開発した医療特化型大規模言語モデル(以下、医療LLM)「Weblab-MedLLM-Qwen-2.5-109B-Instruct」を、生成AI向け推論API基盤「さくらのAI Engine」から研究用途限定で無償提供を開始すると発表した。

 同モデルは、内閣府 戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期「統合型ヘルスケアシステムの構築における生成AIの活用」で行われたテーマの一つである「日本語版医療LLMの開発ならびに臨床現場における社会実装」で開発された成果であり、日本語環境における医療AI研究の発展を支援するものとなっている。

 Weblab-MedLLM-Qwen-2.5-109B-Instructは、松尾研がさくらインターネット、株式会社ELYZA、株式会社ABEJA、理化学研究所および医療機関と連携して開発した医療LLMで、2025年の医師国家試験ベンチマークでは、OpenAI-o1やGPT-4oを上回る93.3%の正答率を記録した。日本語の医療データに基づいて訓練されることで、医療分野に特化した高い信頼性と性能を備えている。日本語環境に最適化された医療LLMとしては国内有数の取り組みであり、今後の医療AI研究を加速する基盤となることが期待されている。

 松尾研およびさくらインターネットでは、研究成果の評価、研究のさらなる推進に貢献するため、開発したモデルを利用できる対話型AIサービスを提供する。公開期間は3月5日〜8月31日。今回の提供は、SIP第3期における研究開発成果を、広く研究者コミュニティで活用してもらうための取り組みであり、医療分野に特化した日本語LLMが実際の研究環境で利用可能となることで、医療に関する自然言語処理の実証や研究が加速し、臨床現場でのAI導入に向けた検証にもつながることが期待されるとしている。

 今後もさくらインターネットは、研究コミュニティに対する社会的責任を果たすとともに、日本におけるAI技術の健全な発展を支える基盤事業者としての役割を強化し、国内のAI研究・産業利用の推進を支援していくとしている。