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NTTドコモビジネスなど4社、IOWN APNを活用してGPUマシンなどの機器をデータセンターに集約する新たなオフィスモデルを検証
2026年3月5日 16:24
NTTドコモビジネス株式会社(旧:NTTコミュニケーションズ)、NTTドコモソリューションズ株式会社(旧:NTTコムウェア)、NTTアーバンソリューションズ株式会社、株式会社NTTファシリティーズの4社は4日、IOWN APNを活用した高度なICT機器をオフィス外に集約する新たなオフィスモデルの検証を行ったと発表した。
4社は検証の背景として、高度な計算機資源を活用した業務効率化や生産性向上に向けた取り組みがさまざまな分野で進展しており、建設・設計分野におけるBIM(Building Information Modeling)活用や、ゲーム・映像分野での高度な映像処理、製造業におけるAIを活用した素材開発など、計算能力の確保が企業競争力を左右する重要な要素となっていると説明する。
一方で、こうした高度なICT機器をオフィス内に設置・運用するには、消費電力や発熱対策、機器重量、設置スペースの確保など、オフィスに求められる設備条件は年々厳しさを増しており、さらにオフィス回帰の動きが進む中、ワーカーのパフォーマンス最大化、円滑なコミュニケーションの促進、人材獲得のため、ワーカーへの高度なICT環境の提供やオフィス環境の整備がますます重要になっていると指摘している。
このため、高度なICT機器をデータセンターに集約し、オフィスから遠隔利用する構成は、エネルギー効率やスペース活用の観点から有効な選択肢と考えられるが、従来のネットワーク環境では帯域や遅延の制約により、大規模なデータを扱う業務や高速な応答性が必要な業務では、求められる要件を十分に満たせないことが課題となっていたという。
こうした課題に対し、検証ではNTTドコモソリューションズの都内データセンターとNTTアーバンソリューションズの秋葉原UDX(千代田区)にある「未来のオフィス 4×SCENE」、NTTファシリティーズの田町グランパーク(以下、田町GP。港区)にある共創空間「FL@T」をIOWN APNで接続した。
データセンター側には高度なICT機器としてGPUマシンを設置し、建設・設計業務で利用するBIM環境などを構築した。オフィス側には、1)HDMI信号やUSB信号を非圧縮のまま長距離転送信号へ変換する技術を採用した伝送装置のModel-Bを用いて、高精細映像を非圧縮で伝送するIOWN APN 100Gbps回線、2)画面転送を用いて高精細映像を圧縮して伝送するIOWN APN 10Gbps回線、3)比較用に用意した一般的なインターネット回線――の3つの構成を構築した。
検証協力企業計10社(ゲーム制作、映像制作、製造業、人材、建設・設計、内装、娯楽施設運営、不動産)の協力を得て、映像品質、反応速度、業務への活用可能性、オフィス環境への影響、人材獲得への寄与といった観点から多角的な評価を実施した。IOWN APNによる遠隔作業の操作性について「画質」「映像の滑らかさ」「データ転送速度」等の観点からアンケートを実施した結果、IOWN APN 100GbpsおよびIOWN APN 10Gbpsのいずれにおいても、好評価が90%以上を占めた。
また、このようなICT環境の実現について、操作性以外の観点からも影響や効果を確認した結果、検証協力企業からはサーバー室の大幅削減で創出された空間を価値あるワークプレイスへ再設計することによるオフィス環境向上や、高度なICT環境を利用可能なオフィスによる将来的な人材獲得への寄与について、80%以上が支持した。
検証の構成は、NTTドコモビジネスが運営する共創ワークプレイス「OPEN HUB Park(以下、OPEN HUB)」に展示し、ユーザー企業の声を集めながら本格導入に向けてさらに検討を進めていく。4社は、検証やOPEN HUBで得られた成果を踏まえ、オフィスにおけるIOWN APNの活用、ならびにNTTが掲げる「光の街」づくりに向けた技術面およびビジネス面での検討を、今後も継続していく。さらに、将来的な光電融合技術などの活用を含めた圧倒的な超・低消費電力化の実現をめざし、検証の成果を活用していくとしている。

