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ツネイシホールディングス、TISの経費精算クラウド「Spendia」を導入

ペーパーレス化による作業効率の向上などを実現

 TIS株式会社は8日、常石グループ各事業会社の持ち株会社であるツネイシホールディングス株式会社が、クラウド型経費精算システム「Spendia」を導入したと発表した。

 ツネイシホールディングスは、海運・造船をはじめ5つの事業を展開する常石グループ各事業会社の持ち株会社として、広島県の本社と東京支店の2拠点を中心にビジネスを手掛けている。その同社では、従来、スクラッチ開発をしたシステムで経費申請・精算を行っていたが、社内ネットワークに限定したWebアプリケーションであることから、出張先やテレワーク環境からは使えないなど、ここ数年の働き方の変化に対応できない点が課題になっていたという。また自社開発したシステムのため、電子帳簿保存法やインボイス制度に対応などのシステム更改には、大がかりな追加開発を要する点も課題だった。

 そこで、新しい制度に合わせた自動更新が期待できるクラウドサービスへ移行し、利用者の自由度を高めることを検討。さらには、グループ各社でも同様の経費精算業務の課題が顕在化していたことから、グループ全体でのクラウドサービス移行を構想し、まずツネイシホールディングスに先行導入し、順次グループ各社へ展開していくことにした。

 そして2021年の中ごろに、常石グループの他のプロジェクトで技術パートナーの1社であったTISから経費精算クラウド「Spendia」の提案を受けて、PoCを実施し、2022年3月に採用を決定している。

 採用にあたっては、候補サービスの中で、スマホアプリのUIが分かりやすく直感的に操作が可能な点や、クラウド経費精算のため過去の領収書等をデータで検索できる点、ペーパーレスのため郵送など不要で申請者への差し戻しがしやすい点、画面上でパラメータを選ぶだけで経費申請のルールを設定でき、承認フローをGUIベースで設計しやすい点などが評価されたという。

 また、従来は企業が求める要件に基づき、TISがSpendia上でパラメータを入力し、経費申請ルール等を設定していく方法での導入が多かったというが、今回はツネイシホールディングス側でセルフセットアップを行いたいという希望があり、大型案件では初めて、導入企業側が主導して実施している。同社は並行して、長い年月の中で独自化・複雑化していた社内規定の見直しも実施しており、独自ルールを近年の一般的な規定にあわせてシンプル化することで、働き方の改善にもつなげられたとした。

 こうした導入から1年弱が経過した時点で、申請端末の割合はスマホとPCがほぼ同等になったほか、申請に不備があった際の差し戻し・再提出がオンラインで完結できるようになっており、承認者である上長も、離席中・出張中でもスキマ時間を利用して承認を行えるようになったため、結果的に、立替金の支払いの早期化につながったとのこと。さらに、以前は東京支店から広島の経理担当まで紙の領収書を郵送していたが、今回の導入でペーパーレス化されたため、郵送によるタイムラグが解消したとしている。

 なお常石グループでは、現在、すでに2つの事業会社で導入作業が進行中。グループ会社によって事業形態が異なるため、今回の導入経験を踏まえて、社内規定の見直しを含め、経費精算業務のデジタル化を進める考えだ。