ニュース

GitLab、Google CloudのジェネレーティブAI基盤モデルを活用したAI機能を提供

 米GitLabは現地時間5月2日、Google Cloudとの戦略的パートナーシップを拡大し、安全性に優れたAIツールを企業向けに提供すると発表した。

 GitLabは、Google Cloudのカスタマイズ可能な基盤モデルとオープンなジェネレーティブAI(生成AI)インフラストラクチャを活用し、エンタープライズDevSecOpsプラットフォームからAI活用機能を直接顧客に提供する予定としている。

 GitLabでは、Google Cloudとの連携は、Google Cloudがプライバシーとエンタープライズへの対応に特に力を入れており、またAI分野でリーダーシップを発揮しているためと説明。ジェネレーティブAIは、GoogleのAIプラットフォーム「Vertex AI」でサポートされているため、GitLab独自のデータでチューニングしたGoogleの基盤モデルを活用することにより、ジェネレーティブAIによる新たなエクスペリエンスを提供できるとしている。

 また、Vertex AIに加え、Built with Google Cloud AIプログラムを活用することで、Googleの基盤モデルを使ってAI活用ツールを、GitLabのクラウドインフラストラクチャから顧客に提供できるようになる。そのため、顧客の知的財産とソースコードをGitLabのクラウドインフラストラクチャ内部に維持して、顧客ユーザーのプライバシーを保護するというGitLabのコミットメントを継続できる。

 GitLabは、ソフトウェア価値の提供に関わるすべてのユーザーにAIを活用したワークフローを適用することで、顧客のDevSecOpsワークフローの効率性を10倍にすることを計画していると説明。ソフトウェア開発ライフサイクル全体にAIを活用した機能を実装することで、企業全体におよぶ価値を実現し、セキュリティやプライバシーを犠牲にすることなくビジネス変革を加速するとしている。

 Google CloudのジェネレーティブAIモデルを活用した最初の試験的機能が、Explain this Vulnerabilityと呼ばれる機能となる。これは、コードで見つかった脆弱性と、同時にその解決方法の提案を自然言語で説明する機能で、これにより企業組織全体でセキュリティに取り組めるようになる。デベロッパーだけでなく、セキュリティチームやオペレーションチームもExplain this Vulnerabilityを活用でき、安全性を犠牲にすることなく、効率性の維持と提供スピードの改善を実現できるとしている。

 Explain this Vulnerabilityは、Explain this Code、Summarize Issue Comments、Summarize Merge Request ChangesなどのGitLabの試験段階の機能や、現行のAI活用機能であるCode Suggestions、Suggested Reviewersに加わる機能となる。これらの機能は、コードの開発以外の点でもデベロッパーの生産性を高め、また、ソフトウェア開発ライフサイクルのすべてのユーザーのワークフローをより自動化するとしている。