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NEC、性能を強化したファクトリコンピュータのエントリーモデルを提供

長期供給・保守に対応したグラフィックアクセラレータも用意

新モデルのうち、最上位モデルの「FC-P21G」(左)と、中位モデルの「FC-P32K」(右)

 日本電気株式会社(NEC)は19日、24時間安定稼働と長期供給・保守を提供するファクトリコンピュータ「FC98-NXシリーズ」において、CPU性能向上やグラフィックスアクセラレータの長期供給・保守対応などを強化したエントリーモデル「FC-PMシリーズ」3モデルを、同日より販売開始すると発表した。

 「FC98-NXシリーズ」は、24時間連続稼働が求められる半導体・精密機械の製造装置・検査装置や、交通機関の運行管理システム、病院・医療機関におけるレセプト端末、ビル・公共施設の監視制御システムなど、さまざまな分野で利用されているファクトリコンピュータ。24時間連続稼働が可能な高い耐久性を持つほか、多様な設置環境への対応、長期供給・長期保守(15年保守)など、一般的なPCとは異なる要件に基づいて開発・提供されている。

 今回の新モデルでは、労働力人口の減少を背景に、工場や生産現場の省人化・自動化を目的とした映像解析やIoTシステムの導入が進展する中で、ファクトリコンピュータにおいても高性能化が求められていることから、インテル第12世代プロセッサを搭載するなど、ハードウェア性能の強化を行っている。

 具体的には、最上位モデルの「FC-P21G」でCore i7-12700E(2.1GHz/12コア)、中位モデルの「FC-P32K」ではCore i3-12100E(3.2GHz/4コア)を搭載しており、処理性能を従来機と比べて最大約2倍以上に向上させているという。

 さらに、LANインターフェイスに2.5GBASE-Tを採用しており、IoT活用による大容量データの処理や、撮像/画像解析・AI利活用に求められる高度な処理を支援し、生産性向上や業務効率化に貢献するとした。

 また、供給期間を2029年12月まで、保守受付期間を2032年12月までと、長期供給・保守に対応したグラフィックスアクセラレータ「NVIDIA RTX A2000」をオプションとして提供する。グラフィックスアクセラレータを、本体とは別に利用者が選定・手配する場合、ファクトリコンピュータ本体に比べて製品の供給・保守期間が短いため、故障時に保守期間が終了してしまっていたり、代替製品に切り替えるための手間や費用が発生したり、といった問題が起こる可能性があったが、長期供給と保守に対応したオプションとしてNECが提供することにより、システム全体の長期運用と費用の効率化が可能になるとのことだ。

 最小構成時の価格(税別)は、FC-P21Gが57万7200円から、FC-P32Kが36万7600円から、ローエンドの「FC-P30X」が31万5600円から。オプションのNVIDIA RTX A2000が30万円。いずれも2月24日の出荷開始を予定する。